キュレーターから読者に伝えたいポイント

2016年3月29日に米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、連邦公開市場委員会(FOMC)が政策調整(利上げペース)を慎重に進めるのが適切との考えを示しました。

事前に一部のFOMCメンバーが早期利上げを示唆していながら、イエレン議長が慎重な見方を示したことから、いったい世界経済は強いのか、それとも弱いのか、わからなくなってしまった個人投資家の方も多いのではないでしょうか。

このような時は、株以外のアセットクラスの価格動向も俯瞰してみることをお勧めします。そうした観点で、今回は、「金」にフォーカスしてみました。

意外に慎重だったイエレン議長

この記事を読むと、今回のイエレン議長の発言は、基本的には3月時点の認識(年2回の利上げペース)を再確認したものであるものの、リスクシナリオとして、利上げペースがさらに遅れる可能性あることが理解できます。

ハッと思わせたイエレン議長

出所:ピクテ投信投資顧問

イエレン発言を受けて金価格は反発

イエレン発言により円安期待が後退したため、日本株は下落しました。また、この記事にあるように、原油、非鉄も売り優勢となっています。一方で、米国株や金価格は上昇しています。

金は4日ぶりに反発した。イエレンFRB議長の追加利上げに慎重な発言を受けてドル安が進み、買いが入ったようだ

出所:楽天証券

金は個人投資家だけではなく中央銀行でも人気化?

この記事を読むと金の需要動向がよく理解できます。

特に興味深いのは、主要国における金利低下や通貨安競争をきっかけとして、代替投資先として「金」に注目するのは個人だけではなく、中央銀行も同じという指摘です。中央銀行は、今後も金の需要を高める要因になるのかもしれません。

増加し続ける中国の金(ゴールド)宝飾需要、V字回復する中央銀行の金保有残高

出所:楽天証券

リーマンショック発生の約3年前から金価格は妙に高騰し始めた

2016年2月18日付けの記事ですが、金価格の上昇は追加利上げの見送りを見事に示唆しています。

少し不気味なコメントですが、リーマンショック発生の約3年前から金価格は妙に高騰し始めていたとのこと。長期的に資産形成を目指す個人投資家は、この事実は記憶にとどめておくとよいでしょう。

金融市場下落の中、唯一上昇している金価格は何を暗示しているのか

出所:投信1

金投資について勉強したい方へのおすすめススメの記事

この記事では、個人投資家向けメディアLongineのアナリストが、初心者にも判り易く金投資について解説しています。

世界が暗い時代になると金価格は上昇する、金価格は、米ドルとは逆相関の関係にあることなどの金価格の特性だけではなく、価格変動がある金は「安全資産」ではない、金にデフォルトないが紛失盗難リスクはあり、など一般の金投資本にはない含蓄のある内容です。

「金投資入門」いざここに完結(全3回)

出所:Longine

【2016年4月1日 投信1編集部】

■参考記事■

>>失敗しない投資信託の選び方:おさえるべき3つのNGと6つのポイント

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LIMO編集部