2. 遺族厚生年金の見直しで影響を受ける人
遺族厚生年金の見直しで影響を受けるのは、以下に該当する人です。
- 18歳年度末までの子どもがおらず、2028年度末時点で40歳未満の女性
- 18歳年度末までの子どもがいない60歳未満の男性
今回の改正で注意が必要なのが、2028年度末時点で40歳未満の子どものいない女性です。現行制度で5年の有期給付となるのは30歳未満ですが、制度改正後は40歳未満で有期給付の対象となります。2028年度末時点で40歳を迎えていない人は、有期給付の対象になると考えておきましょう。
加えて、女性については、20年かけて段階的に見直ししていく予定です。そのため、今後少しずつ有期給付の対象になる年齢が拡大されていくと考えられます。まだ有期給付の対象でない人も、早いうちから備えを用意しておくのが望ましいです。
一方、男性は今回の改正がプラスに動く可能性が高いです。現行制度では受給権の発生が55歳、受給は60歳からとなっており、実質的に退職後の収入補填という役割になっていました。しかし、改正後は60歳未満であっても、5年間の有期給付を受けられます。新たに給付対象となる男性は年間約1万6000人です。これまで対象外だった若年層やミドル層への保障が手厚くなり、恩恵を実感しやすくなるのではないでしょうか。
2.1 編集部からのひとことポイント
私が銀行員だった時代、ATMが最も混雑する日の一つが「偶数月の15日」、年金支給日でした。年金を受け取るシニア世代の方々にとって、この日は生活を支える大切な収入日であり、年金が暮らしの基盤になっていることを日々実感していました。
だからこそ、現役世代のうちから「将来自分が受け取る年金」だけでなく、「万が一の際に家族が受け取る遺族年金」の仕組みを理解しておくことが重要です。今回の法改正では、特に子どものいない40歳未満の女性など、制度変更の影響を受ける方もいます。5年間の給付終了後を見据え、働く力や資産形成を早いうちから意識しておくことが、将来の安心につながります。
お金の制度は、「知らなかった」では済まされないことが少なくありません。ご自身や配偶者の年金加入記録(ねんきん定期便など)を定期的に確認し、法改正の内容を自分事として捉えながら、必要な備えを進めていくことをおすすめします。
次章では、遺族厚生年金の見直しで影響を受けない人を解説します。

