後期高齢者医療保険料の負担は年々増加しています。2026年度・2027年度における被保険者1人あたりの保険料は全国平均で月額7989円。2024年度・2025年度の7411円から578円の値上がりとなる見込みです。
筆者は銀行員時代、多くのお客様の資産運用やライフプランのご相談に乗ってきました。その中で、シニア世代の家計管理において、年々重みを増していると感じるのが「社会保険料の負担」です。特にリタイア後の限られた年金生活において、毎月の医療保険料は家計を大きく左右する「固定費」です。
実は、この後期高齢者医療保険料、「日本全国どこでも同じ」ではないことをご存じでしょうか? 負担額は、お住まいの都道府県によって大きな差があります。
そこで今回は、最新の後期高齢者医療保険料を都道府県別にランキング形式でご紹介します。ご自身の地域や、これから移住を考えている地域の負担額がどのくらいなのか、チェックしてみてください。
2026年度から新たに徴収が始まった「子ども・子育て支援金」の平均額についてもあわせて確認していきましょう。
1. 「後期高齢者医療制度」とは?75歳から加入する公的医療保険の基本を解説
日本の公的医療保険は、すべての人がいずれかの保険に加入する「国民皆保険制度」を基本としています。
75歳になると、それまで加入していた健康保険(協会けんぽ、共済組合、国民健康保険など)から、独立した「後期高齢者医療制度」へ自動的に切り替わる仕組みです。
また、65歳以上75歳未満の方でも、障害年金1級・2級など一定の障害状態にあると認定された場合は、ご自身の希望によってこの制度に加入できます。
1.1 所得で変わる医療費の自己負担割合は1割〜3割
医療機関の窓口で支払う自己負担の割合は、現役世代との公平性を保つため、所得に応じて以下のように区分されています。
- 一般所得者等: 1割負担(課税所得28万円未満)
- 一定以上所得者: 2割負担(課税所得28万円以上145万円未満)
- 現役並み所得者: 3割負担(課税所得145万円以上)
2. 2026年度・2027年度の後期高齢者医療保険料はいくら?全国平均と内訳
後期高齢者医療制度の保険料は、2年ごとに改定されることになっています。
2026年度(令和8年度)からは、これまでの「医療分」に加え、少子化対策の財源として「子ども・子育て支援金(子ども分)」の徴収が新たに始まりました。
厚生労働省の発表によると、全国平均における被保険者1人あたりの月額保険料は以下のようになっています。
保険料の全国平均(月額)
- 医療分:7989円 前回比 +578円(7.8%増)
- 子ども分:194円(2026年度より新設 子ども・子育て支援金)
- 合計:8183円
医療分の保険料が引き上げられた背景には、医療技術の高度化や高齢化による医療費の増加があります。さらに、現役世代の負担増を緩和するため、「高齢者と現役世代の負担の伸び率」を均衡させる制度変更も影響しています。
ただし、これらの金額はあくまで全国平均です。
個人の保険料は、次の2つの要素を合算して決まります。
- 均等割額:被保険者全員が公平に負担する金額
- 所得割額:被保険者の前年の所得に応じて変動する金額
次の章では、厚生労働省の資料を基に、都道府県による保険料の違いを具体的に見ていきましょう。
3. 都道府県別・後期高齢者医療保険料ランキング!平均月額が最も高いのは?
2026年度・2027年度における都道府県別の保険料(医療分)を、金額が高い順にランキング形式で紹介します。
- 東京都 1万352円
- 神奈川県 9842円
- 愛知県 9045円
- 大阪府 9010円
- 沖縄県 8731円
- 奈良県 8622円
- 福岡県 8330円
- 兵庫県 8301円
- 京都府 8280円
- 千葉県 8237円
- 埼玉県 8189円
- 佐賀県 8159円
- 石川県 8065円
- 滋賀県 8051円
- 岡山県 7891円
- 福井県 7840円
- 山口県 7836円
- 広島県 7831円
- 静岡県 7415円
- 香川県 7388円
- 岐阜県 7317円
- 富山県 7296円
- 北海道 7295円
- 大分県 7283円
- 三重県 7263円
- 鹿児島県 7174円
- 茨城県 7128円
- 熊本県 7088円
- 山梨県 7070円
- 宮城県 6933円
- 群馬県 6877円
- 徳島県 6829円
- 和歌山県 6771円
- 高知県 6747円
- 長野県 6745円
- 鳥取県 6568円
- 島根県 6561円
- 栃木県 6476円
- 長崎県 6192円
- 愛媛県 6186円
- 山形県 6014円
- 宮崎県 5875円
- 新潟県 5852円
- 秋田県 5847円
- 福島県 5744円
- 岩手県 5496円
- 青森県 4990円
- 全国 7989円
平均月額保険料が最も高かったのは東京都の1万352円で、最も低かったのは青森県の4990円でした。
4. 年金収入84万円モデルケースで見る、都道府県別の後期高齢者医療保険料(月額)
次に、国民年金(基礎年金)のみを受給している方をモデルに、年金収入が年間84万円の場合の月額保険料を都道府県別に見ていきます。
2026年度の各都道府県における保険料(医療分)は、以下のようになります。
- 北海道 1392円
- 青森県 1175円
- 岩手県 1133円
- 宮城県 1216円
- 秋田県 1300円
- 山形県 1225円
- 福島県 1143円
- 茨城県 1155円
- 栃木県 1146円
- 群馬県 1267円
- 埼玉県 1217円
- 千葉県 1183円
- 東京都 1242円
- 神奈川県 1225円
- 新潟県 1148円
- 富山県 1302円
- 石川県 1337円
- 福井県 1263円
- 山梨県 1228円
- 長野県 1139円
- 岐阜県 1292円
- 静岡県 1192円
- 愛知県 1308円
- 三重県 1280円
- 滋賀県 1292円
- 京都府 1390円
- 大阪府 1515円
- 兵庫県 1363円
- 奈良県 1325円
- 和歌山県 1371円
- 鳥取県 1217円
- 島根県 1334円
- 岡山県 1400円
- 広島県 1285円
- 山口県 1482円
- 徳島県 1423円
- 香川県 1353円
- 愛媛県 1298円
- 高知県 1409円
- 福岡県 1548円
- 佐賀県 1603円
- 長崎県 1308円
- 熊本県 1470円
- 大分県 1492円
- 宮崎県 1300円
- 鹿児島県 1625円
- 沖縄県 1423円
- 全国 1309円
このモデルケースでは、鹿児島県の1625円が最も高い保険料となりました。
また、2026年度からは、この保険料に上乗せされる形で「子ども・子育て支援金」の徴収も始まります。
次の章では、後期高齢者が負担する子ども・子育て支援金の平均的な月額について解説します。
5. 2026年度から新設「子ども・子育て支援金」後期高齢者の負担額は月々いくら?
少子化対策の一環として2026年度から導入された「子ども・子育て支援金」について、後期高齢者が負担する平均月額を都道府県別に見ていきましょう。
厚生労働省の資料によると、令和8年度の後期高齢者医療制度における保険料率(子ども分)は以下の通りです。
- 東京都 265円
- 神奈川県 243円
- 愛知県 215円
- 千葉県 213円
- 埼玉県 210円
- 茨城県 204円
- 奈良県 203円
- 沖縄県 203円
- 静岡県 195円
- 広島県 194円
- 京都府 193円
- 大阪府 191円
- 福井県 190円
- 兵庫県 190円
- 三重県 186円
- 宮城県 185円
- 岐阜県 185円
- 滋賀県 184円
- 石川県 183円
- 長野県 183円
- 富山県 182円
- 山梨県 182円
- 香川県 182円
- 岡山県 179円
- 福岡県 176円
- 群馬県 174円
- 栃木県 173円
- 北海道 172円
- 新潟県 168円
- 山口県 167円
- 島根県 165円
- 佐賀県 163円
- 熊本県 161円
- 和歌山県 159円
- 岩手県 158円
- 鳥取県 158円
- 高知県 157円
- 大分県 156円
- 山形県 155円
- 福島県 154円
- 徳島県 154円
- 長崎県 154円
- 愛媛県 153円
- 鹿児島県 151円
- 宮崎県 145円
- 秋田県 144円
- 青森県 115円
- 全国 194円
6. まとめ
今回は、2026年4月10日に公表された厚生労働省の資料に基づき、後期高齢者医療制度の保険料について解説しました。
2026年度からは、従来の医療分に加えて、月額100円から200円台の「子ども・子育て支援金」の徴収も始まっています。
実際の保険料は個人の所得によって異なりますので、正確な金額については、お住まいの自治体から送付される通知書で確認することをおすすめします。
参考資料



