スマホをはじめ便利な物にあふれた世の中になったからか、待てない、我慢ができない親も増えているように思われます。勉強量を増やしたり塾に通いはじめたりしたからといって、すぐに成果に表れるわけではありません。子供の成長にともなってできるようになることもあるので、長い目で見てほしいと思います。
子供と親とでは、時間の感覚がちがいます。そこを理解できない親は「大人の都合」で子供が自ら学ぶ機会を奪ってしまうこともあります。たとえば靴のひもをなかなか結べない子供を見て親がかわりに結んでしまったり、忘れ物の多い子供のかわりに親が学校の用意をしてしまったり、親が待てずに先回りしてやってしまうケースも見られます。親がいつまでも子供がするべきことをしていては、子供が自ら学ぶ機会は減ってしまいます。子供は、親がやってくれるのをいつまでも待つようになります。
その他、以下のような親の態度も子供が勉強しなくなる原因になるかもしれません。これまで述べたことと重なるところもありますが、いくつか記しておきます。
・上から目線
・極度な心配性で落ち着きがない
・頑固
・きょうだい・親戚と比べてしまう
・親子関係がうまくいっていない、会話がない
・成果が出ないからといって塾や習い事をコロコロ変える
おわりに
冒頭でも述べましたが、自ら勉強をする子供はのびのびしていて、親もおおらかに成長を見守っています。NGアクションを取ってしまうこともまずありません。そして、親子仲がいいようにも映ります。親子関係が良好だからといって必ず勉強するわけではありませんが、穏やかな家庭環境は子供が勉強をするうえで欠かせないものだと思うのです。
子供は親のいうことは聞きませんが、親の顔色はよく見ているし、親の気持ちも的確に察しているのではないでしょうか。親がニコニコしていれば子供もニコニコするようになるし、親がオロオロしていては子供もオロオロするようになるようになってしまいます。
温かい家族関係とNGアクションを避ける、長い目で見なければなりませんが、この2つを守るだけで子供はいつしか勉強するようになるのではないでしょうか。勉強とは本来は楽しいものです。大人も子供も学ぶことを楽しみ、人生そのものを楽しめることを願っています。
久枝 壮一郎