鳥貴族の2019年7月期Q3(累計)決算短信によると、売上高は対前年同期比で+7.3%増、営業利益は同▲46%減であり、増収を維持する一方で、大幅な減益となりました。

来期より新規出店が再開されれば、増収を加速させることはできるかもしれません。しかしQ3は対前年同期比で販管費が約20億円増加しており、利益回復は容易ではないでしょう。

新規出店による成長を得意とする同社。新規出店再開により増収幅拡大の可能性は高いと考えられます。しかし新規出店再開をしたとして、増収に加えて利益水準も回復させられるのかという点は、同社復活に向けて注目すべき部分と言えます。

鳥貴族の2020年7月期は再成長に向けた試金石に

鳥貴族の新規出店再開は正式に発表されたわけではありません。しかし既存店の底上げにある程度の成果が出る中、全店売上高の6月以降の落ち込みもあり、成長軌道に戻すためには新規出店の再開が必要不可欠ではないでしょうか。

同社は2021年7月期を最終年度として1,000店舗達成、という野心的な中期経営計画を立案していましたが、現在は取り下げています(2019年7月末の店舗数659店)。

そうした中、2020年7月期は同社の再成長に向けての試金石となります。10月の消費増税を控え、景気の冷え込みも予想される状況でどんなスタートを切るのか。月次売上高、四半期業績などの推移が注目されます。

鳥貴族の過去2年の株価推移

石井 僚一