梅雨明けが待ち遠しい6月下旬、日差しに夏の気配が感じられるようになりました。
世界的なインフレや不安定な国際情勢が続くなか、実物資産である「金」の価値に改めて関心が寄せられています。
有事やインフレへの耐性が強い傾向にある資産として世界的に評価される金は、将来に備える安定的な資産運用の一つとして検討する方もいるでしょう。
筆者はかつてファイナンシャルアドバイザーとして証券会社に勤務しており、ライフプランに寄り添った資産形成のご相談を受けていました。
その経験からも、将来への備えとして、資産形成の手段に「金」を組み込むことも選択肢の一つになると実感しています。
本記事では、過去のデータを用いて純金積立を継続した場合に資産がどのように推移したのかを具体的な数値でシミュレーションします。
2016年6月から2026年5月までの10年間「毎月5000円をコツコツと積立投資」を行った場合における現在の評価額がいくらになったのか、具体的な数値で詳しく確認していきましょう。
1. 純金積立、過去10年間「毎月5000円」積立投資をした人の運用シミュレーション結果は?
はじめに、今回のシミュレーションで用いる基本的な投資条件を見ていきましょう。
- 投資期間:2016年6月~2026年5月
- 積立年数:10年間
- 毎月の積立金額:5000円
- 投資元本(合計):60万円
※購入時の手数料は1.7%で計算しています。
これらの条件で積立投資を継続した結果、最終的な運用パフォーマンスは次の通りです。
- 期間全体の平均購入単価:1gあたり9247円
- 現在の金買取価格(2026年5月末時点):1gあたり2万3811円
- 最終評価額:151万8688円
- 運用益:91万8688円
- 資産増加率:+153.1%
2. 金投資で知っておきたい3つの税金制度の違い
金(ゴールド)への積立投資と聞くと、現物を少しずつ買い集める方法を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、現在ではスマートフォンを使って金の価格に連動する金融商品を売買したり、金関連の投資信託やETF(上場投資信託)を積み立てたりすることも可能です。
金をどのような方法で購入するか(口座の種類や商品の特性)によって、適用される税金の制度は主に3つに分類されます。
ご自身が検討中、あるいは利用中の積立方法がどれに当てはまるか、事前に確認しておくことが大切です。
2.1 現物を購入・保管する「純金積立」の税制
インターネット銀行などで「現物の引き出しはできない」という契約であっても、サービス提供者が裏側で本物の金を共同で購入し保管している場合は、このタイプに分類されます。
税金の扱い:原則として「総合課税(譲渡所得)」となります。
主な特徴:運用によって得た利益は、給与所得など他の所得と合算して税額が計算されます。
ただし、「年間50万円の特別控除」があるため、年間の利益が50万円以内であれば、原則として課税されません。
さらに、保有期間が5年を超えると税負担が軽減される制度も設けられています。
2.2 現物のやり取りがない「金投資口座・金貯蓄口座」の税制
このタイプでは現物の金の受け渡しは行われず、銀行口座内で「金の価格に連動する金融商品」として売買が完結します。
税金の扱い:「源泉分離課税」が適用されます。
主な特徴:利益に対しては、一律で20.315%の税金がかかります。
利益が確定すると自動的に税金が源泉徴収され、税引き後の金額が口座に入金されるため、確定申告が不要な点が大きなメリットです。
2.3 投資信託やETFで金に投資する場合の税制
証券会社などを介して、金(ゴールド)の価格に連動するよう設計された投資信託やETFを定期的に購入していく投資手法です。
税金の扱い:通常の株式や投資信託と同様に「申告分離課税」の対象です。
主な特徴:利益には一律20.315%の税金が課されます。
「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおけば、利益確定時に自動で納税が完了するため、確定申告の手間を省けます。
また、一定の条件下でNISA(少額投資非課税制度)を利用して非課税で運用できることも魅力の一つです。
ご注意
※上記は、個人の税制に関する一般的な概要です。
取引の頻度、保有状況、個人の所得などによっては、税務上の扱いや所得区分(雑所得・事業所得など)が変わることがあります。
納税や確定申告に関する具体的な手続きについては、必ず所轄の税務署や税理士といった専門家にご確認ください。
3. 金積立の運用シミュレーション結果と税金のポイント
今回のシミュレーションでは、2016年6月から10年間にわたり毎月5000円を純金積立に投じた結果、投資元本60万円が最終的に151万8688円まで増加しました。
これは、資産が+153.1%増えた計算になります。
金はインフレに強い資産として関心を集めていますが、投資方法によって税金の扱いが大きく異なる点を理解しておく必要があります。
純金積立、金投資口座、関連の投資信託など、それぞれの制度や特徴を把握し、ご自身の投資方針に合った選択をすることが重要です。
※当記事は再編集記事です。
【ご留意事項】
- 投資には元本割れなどのリスクが伴います。
- この記事は、投資判断の参考となる情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。
- 記事内で示したシミュレーションは、過去の価格データに基づいた参考値です。
- 金の価格は常に変動しており、将来的に同様の成果が得られることを保証するものではない点にご注意ください。

