次も共働きのCさん(妻・子供1人の3人家族)のケースです。
まだ子供も小さく共働きだったため、保育園から勤務先の近い妻が子供を迎えに行き、夫のCさんが夕飯を作っていた頃の話。野菜が少ないと、妻が「これだから男の料理は…栄養のバランス考えて作りなよ」と愚痴。お肉を塊で使うと「これだから男の料理は…お肉を塊で使うとかありえないし」と愚痴。
調味料を買い忘れたため、みんながお腹を空かせてしまわないように近くのコンビニで調味料を買ったところ、「これだから男の料理は…コンビニとか高いじゃん」と愚痴。食後に子供にせがまれ、食器洗いはあとでやろうと思いながら遊んでいたら、「だから男の料理はねぇ…最後まで完結しないというか」と愚痴。
毎日のように愚痴の嵐だったので、さすがにブチ切れ寸前になったCさん。怒りの言葉が滑り出るのをどうにか辛抱したものの、「やっぱり、晩御飯は男の料理じゃなくて、ママの手料理がいいんじゃない?」と、あるとき思わず言ってしまったのです。
”うわっ、ケンカになるかも…”と後悔していたところ、普段から妻の「これだから男の料理は…」という愚痴を耳にしている子供が、「パパの料理は男の料理だからねぇ」といい具合に食いついてくれたといいます。
そこで妻の機嫌を損ねないよう、料理を褒めまくる作戦に変更したCさん。子供と一緒に妻の手料理を褒めて褒めて、褒めまくりました。
すると、気を良くした妻は「だったら、○○が子供を迎えに行ってよ。私がご飯作るから~!」と上機嫌で夕食当番を交代してくれることに。予想もしていなかったラッキーな展開となり、その後は愚痴からも料理からも解放されたそうです。
「あれ嫌い」「これ嫌い」を連発する子供たち
次はシングルマザーのDさん(子供が3人の4人家族)のケースです。
子供たちがだんだんと大きくなるにつれて好き嫌いが増え、Dさんが頭を悩ませていたときのこと。昨日までは我慢して食べていた子供たちが、長男の「うわ、これ嫌い。残そ」という言葉につられ、次々と「これ嫌い。残そ」「あれも嫌」と言い出し、収拾がつかない状態に。
仕事に育児に家事。シングルマザーということもあり、ただでさえ精一杯の毎日を送っていたDさん。「あ、そ。だったら残せばいい! けど、明日も明後日も、その次も、いま残したやつが出るから! 腐ってても出すから!」
そう低い声で言い放ち、「アレルギーとかで食べられないのはしょうがないけど、好き嫌いはダメ! 野菜は育ててくれた人がいるし、牛も豚も鶏も、育ててくれた人がいる。それから、料理をする人だって、すごく大変なんだから簡単に残すとか言っちゃダメ!」そう続けたそうです。
小さい子供たちは泣いてしまったものの、次の日からは長男も、嫌いなものを我慢して食べるように。また、大きくなった今では、「料理するようになって母さんが言っていた意味がわかった。料理するのって、食べる人のことを考えたりして結構大変だよね」と言ってくれるようになり、嬉しいかぎりだといいます。