2020年あたりから右肩上がりで推移してきた金(ゴールド)。金価格高騰で買取依頼が殺到しているといったニュースは記憶に新しいことでしょう。
しかし、今年に入り3月に過去最高値を更新したものの、4月以降は下落が続いています。
まとまった資金を一度に投じる「一括投資」の場合、足元のように下落が続いていると「これ以上下がる前に手放すべきか…」とモヤモヤ・冷や冷やしてしまうかもしれません。
しかし、毎月一定額を定期的に買い付ける「純金積立」であれば、価格が下がった局面ではより多くの量を買い付けられるため、全体の平均購入単価を抑えられるという長期積立ならではの強みがあります。そのため、資産運用の分散先(ポートフォリオ)の一つとして、長期的な視点で保有を検討している人もいるでしょう。
この記事では「純金積立」で金投資をした場合の資産の増減をシミュレーションします。2016年6月~2026年5月までの10年間、毎月10,000円コツコツ積立投資を行った場合、現在の評価額はいくらか見ていきましょう。
1. 10年間の純金積立による資産推移と運用実績
2016年6月から2026年5月までの10年間、毎月1万円の純金積立を行った場合の基本条件は以下の通りです。
- 開始・終了:2016年6月 〜 2026年5月
- 積立期間:10年間
- 毎月の積立額:10,000円 (1万円)
- 投資元本(合計):1,200,000円
- 期間中の平均購入価格:1gあたり9,247円
- 現在の金買取価格:1gあたり22,737円
※購入手数料は1.7%で計算
上記の積立投資を10年間継続した場合の最終的な運用実績は以下の通りです。
- 最終的な評価金額:2,900,374円
- 運用による利益:1,700,374円
- 資産の増加率:141.7%増
2. 金投資における取引方法と税制の仕組み
金(ゴールド)への積立投資というと現物をコツコツ購入するイメージがあるかもしれません。
しかし、スマホ上で金の価格に連動する金融商品や金関連の投資信託・ETF(上場投資信託)を積み立てる方法もあります。
「どうやって金を買い付けているか(口座の種類や商品の性質)」によって、税金の仕組みが大きく3つに分かれますので、ご自身が検討している、または利用している積立方法がどれに該当するかチェックしておきましょう。
2.1 純金積立(現物の購入・保管を行うタイプ)
ネット銀行などで「現物の引き出しは不可」という契約であっても、裏側で本物の金を共同購入して保管しているタイプはここに該当します。
税金の扱い: 原則として 「総合課税(譲渡所得)」
ざっくり特徴: 利益は他の所得(給与など)と合算されて税金が計算されます。ただし、「年間50万円の特別控除」があるため、年間で出た利益が50万円以下であれば原則として税金はかかりません。また、5年を超えて長期保有した場合は、税金の負担が軽くなる仕組みもあります。
※なお、現在の高い金価格水準(1gあたり2万円超など)においては、店舗の店頭で「1万円分だけ現物の塊を購入してその場で持ち帰る」といった買い方は物理的にできません。純金積立のように、システム上で金額を指定してその分のグラム数をデータとして買い付け、一定の重量が貯まった段階で現物に引き出す(転換する)仕組みであれば、1万円からの現物投資が可能です。
2.2 金投資口座・金貯蓄口座
現物の金のやり取りは一切なく、銀行の口座上で「金の価格に連動する金融商品」として取引するタイプです。
税金の扱い: 「源泉分離課税」
ざっくり特徴: 利益に対して一律 20.315% の税金がかかります。利益が出た時点で自動的に税金が差し引かれて口座に入金されるため、確定申告の手間がかからないのが特徴です。
2.3 金関連の投資信託・ETF(上場投資信託)
証券会社などを通じて、金(ゴールド)の価格に連動する投資信託やETFをコツコツ積み立てる方法です。
税金の扱い: 「申告分離課税」(通常の株や投資信託と同じ扱い)
ざっくり特徴: 利益に対して一律 20.315% の税金がかかります。「特定口座(源泉徴収あり)」を選んでおけば、自動的に税金が引かれるため確定申告を不要にできます。また、条件を満たしていればNISA(非課税制度)を活用して運用できるのも大きなメリットです。
ご注意
※上記は一般的な個人の税制に関する概要です。取引の頻度や保有状況、個人の所得状況等によっては、税務上の判断や所得の分類(雑所得・事業所得など)が異なる場合があります。実際の納税や確定申告の詳細につきましては、必ず所轄の税務署または税理士などの専門家にご相談ください。
3. まとめ
2016年6月から10年間、毎月1万円を積み立てたシミュレーションでは、投資元本1,200,000円に対し、最終的な評価金額は2,900,374円、運用による利益は1,700,374円(141.7%増)という結果になりました。
金投資は現物積立、投資口座、投資信託やETFなど、取引方法により税制が「総合課税」「源泉分離課税」「申告分離課税」の3つに分かれます。
自身の運用スタイルに合った仕組みを正しく把握することが大切です。
【免責事項】
- 投資にはリスクが伴います。
- 本記事は、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。

