5. 老後不安は「死亡分割」で解消の可能性も

無期給付から原則5年の有期給付に切り替わることで、受給できる年金額がいくらになるのか不安になる人もいるでしょう。しかし、今回の見直しでは年金額の増額が行われます。

その仕組みのひとつが「死亡分割」です。死亡分割とは、亡くなった配偶者のほうが現役時代の報酬が高かった場合に、その人の厚生年金記録を分割し、遺された配偶者の記録へ上乗せする仕組みです。

上乗せ分は、遺された配偶者の老齢厚生年金に反映されます。遺された配偶者の厚生年金保険の加入期間が短い場合や、現役時代の収入が亡くなった人よりも低い場合などは、将来受け取れる年金が増える可能性があるでしょう。

実際に増額される金額は、亡くなった人の厚生年金保険への加入記録などによって決まります。亡くなった人の年金額をそのまま引き継ぐわけではない点に注意が必要です。

老後の収入は、自身の老齢年金がメインになります。死亡分割による増額を活用しつつ、年金以外の収入源や資産を備えておくことが重要です。

石上 ユウキ
死亡分割は、あくまで「亡くなった方の記録の一部」を反映する仕組みであり、無条件に年金が増えるわけではありません。ご自身の場合はどの程度の増額が見込まれるか、年金事務所で個別に確認しておくと安心です。

6. まとめ

遺族厚生年金の改正までは、まだ1年以上あります。改正による影響を受ける子どものいない人については、もしものときに備えて保険や現在の資産について見直してみるとよいでしょう。

すでに遺族厚生年金を受給している人など、改正の影響を受けない人もいます。こうした人は「5年で打ち切られる可能性はない」ということを押さえておき、「自分は有期給付の対象にならないか」をあらためて確認しておくとよいでしょう。

参考資料

石上 ユウキ