最近、セクハラやマタハラなどのハラスメント行為に対する目が厳しくなってきましたね。それにもかかわらず、様々なハラスメントの被害に遭う人が後を絶ちません。今回は、セクハラ、パワハラ、マタハラ、アルハラなどのハラスメント行為と戦うためのヒントを体験談とともにご紹介します。

加害者と同性の上司に対応してもらう

証券会社で働くAさんは、男性の同僚や先輩からのセクハラ被害に悩んでいました。酔っぱらった勢いで胸やお尻を触ったり、卑猥な言葉をかけられたり、恋人の有無や恋人との会話について根掘り葉掘り聞かれたり。ひどいときには不倫を持ち掛けられる、一晩限りの関係を求めるようなことを言われる、ということもあったそうです。しかし、立場的にも若いAさんは何も言えず、適度にあしらおうとするもうまくいかずに悩んでいたのです。

そこでAさんは、人事部に相談をしました。具体的に名前を挙げ、こういうことをされていると伝えたAさん。話を聞いた人事部も、「真摯に対応する」「Aさんに悪い影響が出ないよう配慮する」と言ってくれ、ひと安心したものの、それから3カ月、半年と時間が経っても何も変わることはありませんでした。不満に思ったAさんは、人事部はもう何もしてくれないと諦めて、男性上司に相談したのだと言います。

主に飲み会の席で行われるセクハラ行為でしたので、よく同席していた男性上司もすぐに状況を理解してくれました。「Aさんはいつもニコニコしてあしらっているから平気だと思っていた」「気が付かなくて申し訳ない」と言われ、その後はやりすぎな行為があると男性上司が「もうやめておけ」「そこまで」とうまく止めに入ってくれるようになったのだと言います。同性の上司からの注意であれば逆恨みなどのリスクも低いですし、加害者も話を聞き入れやすくなりますね。

上層部に事の重大さを認識させる

IT企業勤務のBさんは、パワハラ行為で困っていました。しかし、人事部に相談してもなかなか動いてもらえず、何とかしたいと対策を考えていたと言います。具体的には、怒鳴られたり、人格を否定するようなことをネチネチ言われるのは日常茶飯事。それどころか時には突き飛ばされたり、Bさんのものを投げられたりすることもあったのだと言います。

その事の重大さを認識しないことが問題なのだと考えたBさん。仲のいい先輩に頼んで、人事部ではなく自分の部署を管掌する役員に、世間話をよそおって話をしてもらいました。内容は、最近のセクハラやパワハラなどは「会社の外でやったら捕まって刑罰を受けてもおかしくない」「そうなったら会社の名前が報道されてしまう」「結果として社員が路頭に迷う」などといった話です。社内でやるからこそ、「ハラスメント」で済むものの、街中でやったら犯罪だという話を役員の耳に入れ、事の重大さを認識してもらう方法です。

役員はその場では何も言わなかったそうですが、そのあとすぐに人事部からハラスメント研修などの日程が書かれたメールが来たのだとか。やはり認識の甘さがハラスメント対策を鈍らせてしまう面もあるので、まずはしっかり上層部に認識してもらう必要がありそうです。

感情的な話はいったん脇に置いて証拠を集める