梅雨の季節となり、雨音が続く日々ですが、将来の生活設計についてじっくり考える良い機会かもしれません。
老後の暮らしを支える大切な柱である公的年金について、「自分は毎月いくらもらえるのだろうか」「年金だけで生活していけるのか」といった疑問を持つ方も少なくないでしょう。
日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建て構造が基本です。
これまでの加入状況によって、将来受け取れる年金額は一人ひとり異なります。
2026年度には年金額が増額改定されましたが、国民年金の満額は月額約7万円であり、厚生年金を受け取る人々の間でも受給額には大きな差があります。
この記事では、公的年金の基本的な仕組みから、実際の受給額、そして最新の制度改正までを詳しく解説していきます。
次回の年金支給日は8月14日ですが、厚生年金と国民年金の合計で「月額15万円以上を受け取る人」の割合はどれくらいでしょうか。
1. 日本の公的年金制度の基本「国民年金」と「厚生年金」の2階建て構造とは
日本の公的年金制度は、原則としてすべての人が加入する国民年金(基礎年金)と、会社員や公務員などが加入する厚生年金から成り立っています。
国民年金を1階の土台部分とし、その上に厚生年金が上乗せされる構造から、「2階建ての年金制度」として知られています。
ここでは、それぞれの制度の概要について確認していきましょう。
1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」の概要
- 加入対象:日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人が原則として加入します。
- 保険料:加入者全員が定額ですが、毎年度改定されます(※1)。
- 受給額:保険料を480カ月(40年間)すべて納付すると、65歳から満額の老齢基礎年金(※2)を受け取れます。未納期間がある場合は、その期間に応じて満額から減額されます。
※1 2026年度の国民年金保険料は月額1万7920円です。
※2 2026年度の国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額7万608円です。
2階部分にあたる「厚生年金」の概要
- 加入対象:会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※3)に勤務し、一定の要件を満たす方が国民年金に上乗せして加入します。
- 保険料:収入(上限あり)に基づいて決定されます(※4)。
- 受給額:加入していた期間や納めた保険料の総額によって、個人ごとに異なります。
厚生年金は、会社員や公務員といった方が国民年金に追加で加入する制度となっています。
国民年金と厚生年金とでは、加入対象者の範囲、保険料の計算方法、そして将来の年金額の算出方法に違いがあります。
このため、老後に受け取る年金額は人それぞれで、加入期間や現役時代の収入などが受給額に影響します。
さらに、公的年金の額は固定ではなく、物価や現役世代の賃金の変動を考慮して、毎年見直される仕組みが採用されています。
※3 特定適用事業所とは、1年のうち6カ月以上、厚生年金保険の被保険者(短時間労働者を除く、共済組合員を含む)の総数が51人以上になる見込みの企業などを指します。
※4 厚生年金の保険料は、標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて算出されます。
