なぜ、同じ“家事育児を担わない夫”でも普段の土日にはイライラしないのに、今回の長期休暇で筆者はイライラしたのか。まず、我が家では常に「夫は家にいる時は必ず寝ている」ことが当たり前だったために、今回、寝ていないのに家事育児を担っていない状態を目の当たりにしてイライラしたのだと思います。

また、「仕事があって物理的に家にいないから家事育児ができない夫」は許せるのに、「『疲れているから』という理由で家事育児ができない夫」は許せないという境界線を持っていたことにも気付きました。

さらに今回のお盆は夫婦の実家にも帰省せず、また旅行や外出の予定も決めていなかったことも良くなかったのです。筆者は「どこにも行かない=ずっと家にいるから夫と家事育児を分担できる」と解釈し、勝手に期待をしてしまっていたのです。しかし夫の中には「どこにも行かない=ずっと家にいるからダラダラしていい」という都合の良い解釈が生まれたのでしょう。

予定が何か入っていれば、家の中の行動にもある程度の規律が生まれ、夫が自然と家事を担う流れを作れたのかもしれません。そこまでしないと家事をしてくれない夫に若干の悲しさを覚えつつも、自分がイライラしないために次の長期休暇には何かしら出かける予定を入れようと肝に銘じました。

ハードワークで疲弊している夫に「家にいるなら家事育児をしろ」は正論か

我が家における家事育児の分担は、基本的には時間がある方や余裕のある方が多く担うという考え方。そのため仕事の内容や勤務時間上、筆者が多くを担っており、業務内容や役職上、毎日がハードワークになっている夫に「家にいるんだから家事育児をやって当然」と強いるのは、あまりに求めすぎかなと思っています。そんなことを思うと、夫にとっては睡眠だけではなく、寝転んでスマホをいじっているのも普段はなかなかできない休息の時間だったのかもしれません。

夫に対する労いの気持ちと、「せめて少しくらいは」と協力を求める気持ち。そのせめぎ合いの中で、ただ不満や怒りをぶつけるのではなく、どんなポイントで相手にイライラしたり夫婦のボタンの掛け違いが生まれたのかを冷静に分析し、試行錯誤しながらお互いがよりよく生活していくための着地点を探る。今回の経験を、いかに次の長期休暇に活かせばいいのかが少しわかった気がしました。

富士 みやこ