レビュー:原油、新興国株が牽引した1週間
先週(2月29日‐3月4日)は新興国株が牽引し、株式市場は軒並み上昇しました。
G20声明の流れを受け、中国が全国人民代表大会(全人代)において景気対策を強化する期待が高まりました。さらに、需給改善の思惑から原油価格が上昇したことで世界的にリスクオンの相場となり、中国株関連を始めとして新興国の株式市場の上昇が目立ちました。一方、主要国の長期金利は上昇しています。
週末の3月4日には、注目の米国2月雇用統計が発表されました。雇用者数が着実に増加する一方、賃金の上昇はそれほどでもないという内容です。
これに対して米ドルは小動き、米長期金利は上昇、株価は小幅高でした。米国株には内需拡大・低インフレ・外需底入れ期待が揃った好環境のはずですが、その割に上昇力が鈍いというのが筆者の印象です。また、スーパーチューズデーは順当な結果で材料視はされていないと思われます。
個別企業では海外資源メジャーの株価上昇が目立ちます。また資源関連の機械株も上げています。米銀株も上げており、米国が年内に追加利上げに向かうことを織り込んでいるように感じられます。
注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示
注:現地通貨ベース、為替は円安が+、円高が‐表示
アウトルック:改めて主要国の金融政策に注目が移る1週間に
今週(3月7日‐3月11日)は、再び金融政策に焦点が移るでしょう。まず10日の欧州中央銀行(ECB)の理事会とドラギ総裁の会見が注目です。
ドラギ総裁は1月の時点で、3月の理事会では金融政策の見直しをすると発言していました。欧州ではデフレ傾向が続いているため、どのくらいの規模の追加緩和を行うのか注目されます。これによって、翌週に予定される日銀の政策決定会合、米国のFOMCに影響が及ぶでしょう。また中国の新5か年計画で製造業の構造改革と内需振興、インフラ強化の中身をどう描くのかも注目です。
1月から2月にかけて上昇した価格変動率は落ち着きつつあります。株式市場では出遅れた株や市場が順次回復していくような循環が続き、徐々に全体として値固めが進みそうです。
【2016年3月6日 投信1編集部】
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LIMO編集部