4. 男女で異なる老後の家計:厚生年金の平均は男性約16万円・女性約11万円
老後の家計を考える際には、平均的な年金額だけでなく、男女による違いにも目を向ける必要があります。
先出の資料・厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額は男女合計で月15万289円ですが、男女別に見ると大きな差があります。
4.1 共働き時代でも残る「働き方の経歴」がもたらす受給額の差
厚生年金の平均月額は以下の通りです。
女性の平均受給額が低い背景には、出産や育児による離職期間、非正規雇用で働く期間の長さ、賃金水準の違いなどがあります。
現在は共働き世帯が増えていますが、高齢世代ではこうした働き方の差が年金額にも反映されているのです。
4.2 増加する高齢単身女性世帯
また、女性は男性より平均寿命が長いことから、高齢期に配偶者との死別によって単身世帯となるケースも少なくありません。
実際の統計でも、高齢単身世帯の増加が続いており、その多くを女性が占めています。
夫婦世帯では二人分の年金収入で生活できていた場合でも、単身になると収入は減少する一方で、住居費や光熱費などの固定費は大きくは減りません。
そのため、同じ年齢であっても家計状況は大きく変化する可能性があります。
4.3 長寿化によって問われる「資産寿命」
さらに、女性は平均寿命が長い傾向にあるため、老後資金を取り崩す期間も長くなります。
たとえば85歳以降も生活が続くことを前提にすると、年金だけで不足する部分を補うための貯蓄や資産管理がより重要になります。
老後の備えを考える際には、「いくら年金を受け取れるか」だけでなく、「何年間生活を支えられるか」という資産寿命の視点も欠かせません。
平均年金額だけでは見えない男女差や世帯構成の変化を踏まえ、自身のライフスタイルに合わせた資金計画を考えておくことが大切です。
著者
二種外務員資格(証券外務員二種)記者/編集者/校閲者/
【保有資格】
ニ種外務員資格(証券外務員二種)・相続診断士・認知症介助士・終活ガイド資格1級保有。
【経歴】
二種外務員資格や相続診断士などの資格を保有し、「お金とくらし」にまつわる情報を専門的かつ丁寧に発信する金融メディア編集者・ライター。
早稲田大学第一文学部史学科卒。人文・社会系一般書籍、中学・高校社会科教材、就職試験問題の制作関連業務で15年以上の経験を持つ。また、大手人材派遣会社における採用管理業務などの実務経験もある。
現在は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~』において、金融系メディアの編集者兼執筆者として、コンテンツ制作や編集を担当。
総務省「家計調査」・厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査」などの一次資料に基づくデータ記事の執筆に強み。
専門家と実務家が発信する金融経済ニュースサイト『LIMO&ファイナンス』でも記事執筆をおこなう。紙媒体での経験に加え、家族の介護を通じて得た知見を生かしながら、「お金とくらし」にまつわる情報を丁寧に発信している。(2026年7月9日更新)
監修者
LIMO編集部年金解説班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
LIMO編集部年金解説班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2026年6月17日)