2. 年間手取り収入から平均で何割貯めているのか

同調査には、年間の手取り収入から金融資産(預貯金・株式・投資信託・保険など)へどれくらいの割合を振り分けているか、というデータもあります。これは「金融資産を保有している世帯」ベース(保有していない世帯は対象外)の数字なので、貯蓄ゼロ世帯を含む先ほどの平均・中央値とは母数が異なる点に注意したいところです。

  • 40歳代単身世帯(金融資産保有世帯):金融資産に振り分けた35.0%/全く振り分けなかった65.0%/平均振り分け率37%
  • 50歳代単身世帯(金融資産保有世帯):金融資産に振り分けた31.6%/全く振り分けなかった68.4%/平均振り分け率33%

40歳代・50歳代ともに、保有世帯のうち約3割が手取りから何らかの形で金融資産へ振り分けています。一方で「全く振り分けなかった」が6割を超えています。振り分けた世帯の平均振り分け率は40歳代37%、50歳代33%と、比較的高めの数字です。

同じ「おひとりさま」でも、貯蓄を持たない方や手取りの3割超を金融資産に回す方などがいます。

3. これからのおひとりさま40〜50歳代、老後のために何を始める?

40〜50歳代は、定年退職や年金受給開始まで10〜25年程度の時間が残されている時期です。貯蓄の状況と振り分け率の数字をふまえて、これからできることを2つの方向からみていきましょう。

3.1 「先取り貯蓄」で家計を仕組み化する

まずは毎月貯蓄を続けるためにも、毎月の生活費を払い終えてから「余ったら貯蓄に回そう」とするのではなく、先取り貯蓄をはじめましょう。給料が入った時点で先に貯蓄・投資へ移す「先取り貯蓄」であれば、毎月確実に貯められます。

勤務先の財形貯蓄制度や自動振替、つみたて投資の自動買付など、選択肢はいくつかあります。無理のない金額からスタートして、家計が落ち着いたら少しずつ金額を増やしていくのも一つの方法です。なお、投資にはリスクがありますのでリスクも考えて検討しましょう。

3.2 新NISA・iDeCoを長期で活かす

定年まで時間が残っている年代だからこそ、税制優遇のある新NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)といった制度の活用も選択肢の一つになります。預貯金で生活防衛資金を確保したうえで、無理のない金額から長期で続けるのが基本でしょう。

ただし、投資には元本割れのリスクがあります。金融商品や投資方法などによって個人差があるため、ご自身の家計や考え方、リスク許容度に合うものを慎重に検討したいところです。

4. まとめにかえて

今回みてきたとおり、おひとりさま40〜50歳代の貯蓄は平均は800万〜1000万円台ですが、中央値は100万〜120万円台、「貯蓄ゼロ」も約3世帯に1世帯と、世帯ごとに差が大きい状況です。

定年や年金受給開始までの10〜25年は、「先取り貯蓄」や税制優遇制度の活用で少しずつ備えを積み上げることもできる時期です。今年も半分となり折り返しの今、家計や貯蓄について考えてみてください。

参考資料

宮野 茉莉子