2. 60歳以降も働きたい理由は?

PGF生命が2026年3〜4月に実施した「2026年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」によると、2026年に60歳を迎える方が60歳以降も働きたい理由は、次のとおりです(複数回答/PGF生命調べ)。

2.1 60歳以降も働きたい理由

  • 働かないと生活費が不足するから:53.9%
  • 健康を維持したいから:42.1%
  • 人と関わりを持ちたいから:32.0%
  • 趣味やレジャーのためのお金が必要だから:30.6%

もっとも多いのは「働かないと生活費が不足するから」で、半数を超えています。これは公的年金だけでは生活費に不足が出ると感じている方が多いことを意味します。

一方で、健康維持や人とのつながり、趣味への支出など、お金以外の動機を挙げる方もそれぞれ3〜4割。働くことが収入だけでなく、生活のリズムや心身の健康をも支えていることがうかがえます。

3. おひとりさまの60歳代、これからどう備える?

貯蓄の状況と「働きたい理由」をふまえ、これからの老後の備え方を2つの方向からみていきましょう。

3.1 健康を維持しながら長く働く

60歳以降も働きたい理由のうち、「健康を維持したいから」が4割を超え、「人と関わりを持ちたい」も3割超に達しています。働くことには、収入を補う以外にも、生活のリズムを保ち、社会とのつながりをもつ意味もあります。

無理のない範囲で働ける期間が少しでも長くなれば、その分、貯蓄を取り崩すペースを抑えることができます。健康診断を定期的に受けたり、毎日の生活習慣を整えたりすることは、結果として家計の備えにもつながるといえそうです。

3.2 「貯蓄+投資」で老後資金を整える

これからの備えとしては、預貯金にくわえて、新NISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)といった税制優遇のある制度を活用するのも選択肢の一つです。長く生きる前提に立てば、預貯金だけだと物価上昇で実質的な価値が目減りする可能性も意識したいところ。

ただし、投資には元本割れのリスクがあります。日常的に使うお金とは分けて、生活防衛資金を確保したうえで、無理のない金額から始めるのが基本でしょう。商品選びや投資方法などによりリスクも異なりますので、ご自身の家計や考え方に合うものを慎重に検討したいところです。

4. まとめにかえて

今回みてきたとおり、おひとりさま60歳代の貯蓄は平均1,364万円・中央値300万円。「貯蓄ゼロ」が約3割、「2,000万円以上」が約2割と、世帯ごとに差が大きい状況です。

平均寿命が男女とも80歳代に延び、60歳以降の20〜30年をどう過ごすかは大きなテーマ。働くこと、健康を保つこと、家計や投資を整えること――それぞれの選び方は、ひとりずつ違ってよいはずです。まずは家計や貯蓄を一度たしかめ、今後について考えてみましょう。

参考資料

宮野 茉莉子