相変わらずの残業続きに加え、2回に及ぶ賞与の不支給を受けて、入社から3年半で退職することにしました。退職日に後輩社員から言われた言葉が今でも忘れられません。

「派遣社員のときの方が稼げていた」

彼女はその会社に勤務する前の3年間、他社で派遣社員をしていたらしいのですが、派遣社員の方が正社員になった今よりも収入が多かったと言うのです。この言葉をきっかけに「正社員にこだわる必要はないんだ」と気が楽になりました。

その後、派遣社員として仕事を始めると、賞与の支給はなかったものの月々の支給額が正社員のときよりも増えたのでQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が向上しました。残業もほとんどなく、あったとしても働いた分だけの時給が支払われるので、残業が前職のときほど苦痛ではありませんでした。

客観的に見れば、正社員から派遣社員は「キャリアダウン」かもしれません。しかしその当時の私にとっては、正社員よりも派遣社員の方が給与にも仕事にも満足できていました。正社員の肩書を捨てて思い切って派遣社員になり、本当に良かったと思います。

正社員にこだわらず、自分らしい働き方を模索しよう

今では多様な働き方が社会全体に受け入れられる時代です。派遣やアルバイトでも、満足のいく収入が得られて、ワークライフバランスが安定するのなら正社員にこだわる必要はないように思います。

ここ数年で、時間と場所にとらわれずに働けるフリーランスも急増し、さらに自由な働き方にスポットが当たりつつあります。自分らしい働き方ができるのなら、雇用形態にこだわらず、さまざまな働き方を模索してみてはいかがでしょうか。

林 加奈