そもそもFANGとは何か

FANGとは、フェイスブック(FB)、アマゾン(AMZN)、ネットフリックス(NFLX)、グーグル(GOOG、現在の社名はアルファベット)の頭文字を取った造語です。2015年半ば頃から頻繁に米国金融メディアに登場しています。

※カッコ内はティッカーシンボル

ちなみに、FANG各社の創業時期は、フェイスブックが2004年、アマゾンが1995年、ネットフリックスが1997年、グーグル(現アルファベット)が1998年と、比較的歴史の浅い企業ですが、2016年3月7日時点での4社合計の時価総額は1兆850億ドル(1ドル113円換算で約123兆円)に達します。これは、東証1部の時価総額516兆円(3月7日終値ベース)の23%に相当する規模です。

2015年のFANGは市場平均を大幅にアウトパフォーム

2015年における各社の株価騰落率は、フェイスブックが+34%、アマゾンが+105%、ネットフリックスが+134%、アルファベットが+47%といった具合に大幅上昇でした。

これに対して、S&P500は▲1%下落、S&Pエネルギーは▲24%下落、S&P素材は▲10%下落、S&P情報技術は+4%上昇でしたので、FANGはエネルギーや素材とは対照的な動きを示しています。また、アップルやマイクロソフトが含まれるS&P情報技術に対しても大きくアウトパフォームしました。

このように、2015年にFANGが注目を集めた理由は、米国市場全般が伸び悩む中で高いパフォーマンスを示したためです。

2016年のFANGの株価パフォーマンスは冴えず

ところが、2016年に入るとFANGは今一つ冴えません。2016年3月7日までの年初来騰落率は、フェイスブックが+4%上昇、アマゾンが▲12%下落、ネットフリックスが▲11%下落、アルファベットが▲4%下落となり、S&P500の▲2%下落に対してアウトパフォームしたのはフェイスブック1社に留まります。

2016年3月7日の米株式市場でも、S&P500が前日比横ばいとなる中で、フェイスブック、アマゾン、アルファベットがいずれも▲2%下落、ネットフリックスが▲6%下落となっています。

一方で素材株の代表株であるアルコア(AA)が+5%となるなど、日本市場と同様に、これまで売られ過ぎた株を買い、好調だった株を売るリターン・リバーサルの動きが出てきているようです(ただし、日本ではFANGに相当する勢いのある大型新興株は少ないため、売られるのは建設、不動産、鉄道といった内需関連株です)。

2016年の米国株式市場は、足元で起こっている商品市況の回復が継続するのであれば、FANGに代わり、伝統的な老舗企業が牽引する1年になるかもしれません。“レジェンド”の復活となるのでしょうか。

【2016年3月9日 投信1編集部】

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LIMO編集部