金利が緩やかに上昇を続ける昨今、変動金利を利用中の方や新規の住宅購入を考えている方にとって、将来の返済額の変動は大きな関心事です。

毎月の返済額がどのように変化するかは、今後の家計管理や資金計画を大きく左右する重要なポイントといえるでしょう。

そこで本記事では、ローン残高2000万円、残り返済期間20年、現在の金利0.7%という具体的な条件を設定します。

この状況から変動金利が1%上昇した場合、月々の返済負担がいくら増えるのか、実データをもとにシミュレーションしていきましょう。

1. 金利上昇期における固定金利(フラット35)の最新動向

変動金利からの借り換え先として検討されることが多い固定金利は、一般的に変動金利よりも先に動くという性質を持っています。

ここでは、日本の住宅ローンにおける固定金利の代表格である「フラット35」の最新の金利水準を確認してみましょう。

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出所:住宅金融支援機構「フラット35 金利推移」をもとにLIMO編集部作成

出所:住宅金融支援機構「フラット35 金利推移」をもとにLIMO編集部作成

直近のデータによると、フラット35の金利は最低が3.21%、最高が5.48%という水準に達していることが分かります。

全体的な傾向として金利は上昇局面にあり、固定金利を選んだ場合の初期負担は以前よりも高くなっているのが現状です。

2. 金利が1%上がるとどうなる?月々の返済額がいくら増えるかシミュレーション

シミュレーション結果2/2

シミュレーション結果

LIMO編集部作成

  • ローン残高:20,000,000円 (2,000万円)
  • 残り返済期間:20年
  • 現在の金利:0.7%
  • 金利上昇幅:+1%
  • 現在の月々返済額:89,327円
  • 上昇後の月々返済額:98,360円
  • 月々の負担増:9,033円
  • 返済額の上昇率:10.1%アップ

※元利均等返済

実際に上記の条件で試算を行うと、現在の月々返済額である89,327円から、金利上昇後は98,360円へと増加します。

この場合の月々の負担増は9,033円となり、返済額の上昇率は10.1%アップという結果になりました。

毎月の支払いが約1万円増えることになるため、長期的な家計への影響を考慮して対策を考えておく必要があります。

3. 知っておきたい変動金利の仕組み「5年ルール」と「125%ルール」

変動金利タイプの住宅ローンを契約・利用するうえで、必ず理解しておきたいのが「5年ルール」と「125%ルール」という仕組みです。5年ルールは金利が上がっても5年間は毎月の返済額が変わらない仕組みであり、125%ルールは6年目の見直し時にも従来の1.25倍までしか返済額を上げないという決まりを指します。

3.1 メリット

これらのルールがある最大のメリットは、市場金利が急激にアップしても毎月の返済額がすぐに激変しない点にあります。

子どもの教育費や他の支出が重なる時期であっても家計を安定させやすく、中長期の返済計画が立てやすいのが特徴です。

3.2 デメリットと未払利息の注意点

一方で、毎月の返済額が一定に抑えられていても、利息の負担そのものや総返済額が減るわけではない点に注意が必要です。

金利が大幅に上昇した場合、月々の返済額のすべてが利息の支払いに充てられ、元金がまったく減らなくなる状態に陥ります。

その結果、支払いきれなかった利息が「未払利息」として積み重なり、最終返済日に一括で請求されるケースがあります。

これにより、老後資金を失ったり、最悪の場合は自宅の売却を迫られたりするリスクがあることを覚えておきましょう。

3.3 ルールの有無の確認

なお、これらのルールは「元利均等返済」を選択している場合が対象であり、「元金均等返済」には適用されません。

また、最近ではこれらのルール自体を採用していない金融機関も増えています。

ルールがない金融機関では、金利上昇がダイレクトに毎月の返済額へ反映されますが、未払利息が発生する心配はありません。

住宅ローンの契約を結ぶ前には、これらのルールが適用されるかどうかを必ず事前に確認することが重要です。

4. まとめ

今回のシミュレーション条件(ローン残高2,000万円・残り20年・現在の金利0.7%)の場合、変動金利が1%上昇すると、月々の返済額は9033円増加します。

この負担増を踏まえたうえで、今後の金利プランについて慎重に検討していくことが求められます。

4.1 固定金利への切り替えに伴う「デメリット」と「メリット」

一般的に、住宅ローンの金利は「固定金利 > 変動金利」という関係性があるため、固定金利へ切り替えると毎月の返済額が増えるデメリットがあります。

これまでの支払いよりも負担が大きくなることは、あらかじめ考慮しておく必要があるでしょう。

しかし、固定金利への切り替えには、将来にわたって月々の返済額が確定するという大きなメリットも存在します。

今後の金利変動に一喜一憂することなく、返済額が安定するため、将来の家計管理が非常にスムーズになります。

将来的な負担増のリスクをはじめから排除できるため、長期的なライフプランを安心して立てられるのが魅力です。

4.2 固定金利へ切り替えるべきかの判断基準

変動金利から固定金利へと借り換えをすべきかどうかの基準は、現在の収支や資産状況、家族のライフプランによって異なります。

まずは、将来的に金利が上がったケースを想定し、負担増によって家計の収支バランスが崩れないかを試算してみましょう。

事前に対策をシミュレーションし、どのような局面にも対応できるよう備えておくことが何よりも大切です。

【免責事項】

本記事に掲載されている情報やシミュレーション結果は、試算条件に基づく一例であり、将来の金利動向や特定の金融商品の勧誘を保証・目的とするものではありません。実際の融資条件、金利、および返済額は金融機関や個人の契約状況によって異なります。住宅ローンの選択や契約に際しては、必ず各金融機関の最新の規定や情報を確認し、ご自身の責任においてご判断ください。

参考資料