ほとんどの人がスマホを持ち歩き、どこでもネット上の情報が検索できるようになった現代。育児や家事の手助けをしてくれるようなアプリが開発されたり、SNSが普及したことによって、スマホが手放せないという人も少なくないのではないでしょうか。

小さな子どもを抱えながらも、終始スマホに表示される通知に気を取られているママも多いもの。しかし、実はそんな状況がママたちの疲労を増大させている可能性があります。今回は、現代のママたちならではとも言える“SNS疲れ”について深堀り。日々感じている疲れは、もしかしたらSNSによるものなのかもしれません。

自分や家族の考えを中心に育児ができた世の中

今も昔も、女性が子を産み子育てをしたり家事をしたりするのは同じ。現代よりも「女性は家を守る」という意識が強かったため、男性は外へ働きに出て女性は家事と育児をするという流れが当たり前でした。

一方で現代では、男性が家事・育児へ参加する割合も昔に比べ高くなり、“イクメン”などという言葉が生まれるほど。もちろん家庭によって差はあると思いますが、一見女性の負担が軽くなったようにも見えます。
しかし、現実はそうではありません。

昔はネットやSNSなどがなかったため、基本的に自分や家族の考えの中で家事・育児を進めることができました。子どもが熱を出したら?夜泣きが収まらないときは?悪さをしたときはどうやって叱る?など、家庭ごとに決まりがあったのです。

実の母や姑が近くにいるケースも多かったため、お手本になったりわからないときにすぐ聞ける人がいたというのも昔と今の違い。今は家電なども進化を遂げ、昔とは比べ物にならないほど便利になりましたが、世の中のママたちは日々新しいしんどさに直面しているのです。

SNSやネットの情報にこだわりすぎている人も多い

自分の経験や近しい人たちの助言を聞きながら家事・育児ができていた頃も、もちろん大変なことはたくさんあったはずです。しかし、今の時代を生きるママたちには、その時代にはなかった苦労があるのではないかと考えます。

ネットの普及により、わからないことはすぐになんでも調べられるようになりました。電車の時間がすぐわかったり、世界で起きていることがすぐ詳細まで知れたりと、誰もがどんな情報でも得られるようになっています。しかし一方で、「こうでなければならない」という考えが強くなったように感じている人も多いのではないでしょうか。

「今子育てをしているママたちを見ていると、いろいろ大変だなぁと思います。“この季節にはこんな服装にしないといけない”とか、“ママはいつも子どもに笑顔で接さないといけない”とか。ネットやSNSから情報を調べて手探りで子育てしているので、そこで得られる情報に翻弄されているんですよね。私たちの時代はもっと自由に家事も育児もできたから、今のママたちは本当にしんどいだろうなと思いますよ。」(59歳女性/主婦)

親世代の女性たちから、今絶賛子育て中の女性を見ると、自分たちのときにはなかった苦労があると感じる人が多いようです。SNSにも子育てアカウントがあるように、子育ての悩みやストレスをSNSで発散しようと考えているママも少なくありません。

もちろん、SNSで同じような悩みを抱える人の投稿を発見して、一安心できるというケースもあります。“自分だけじゃないんだ”と思えることでママの孤独感が解消されることもあるので、大切なツールであることは事実です。しかしその情報を鵜呑みにしたり、その情報だけがすべてなんだと思ってしまうのは危険な場合も。SNSがこれだけ普及してしまった世の中ではなかなか難しいことですが、SNSやネットと適度な距離を保つことも大切なのではないでしょうか。

知らず知らずのうちにSNS疲れをしているかも