労働政策研究・研修機構の『若者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状』(2014年)によると、25~29歳の有配偶率(在学者除く)は全体で34.5%となっていますが、個人年収別では50~99万円がもっとも多く55%となっています。600~699万円だと12%、700~799万円だと26%となっており、平均以下という結果に。

これは30~34歳の女性においても同様で、平均有配偶率は59.6%となっており、50~99万円がもっとも高く77.7%となっています。600~699万円はわりと高く51.5%となっていますが、700~799万円は15.1%と下がっています。しかし900万円以上になると51.5%とまた高くなりますが、平均以下という状態は変わりません。

これが男性になると、25~29歳の平均有配偶率は26%ですが、900万円以上は54.7%と2倍以上になっています。30~34歳の平均有配偶率は50%ですが、900万円以上は78.4%です。

これは、家事・育児を主に女性が担うことが多いことや、家事・育児と仕事の両立が難しいという社会的な背景も影響があるでしょう。

また、妊娠・出産が仕事へ与える影響は大きなものです。高収入であればあるほど、「仕事」か「結婚」か「子ども」か…悩むことが多いのかもしれません。

パートナーの収入の重要性と捉え方

結婚を考えると、パートナーの収入は気になるところですよね。

「年収400万円の彼に不安を感じ、結婚を躊躇する…」そもそも平均給与が400万円台なので、「低収入」と感じている人が多いとは言い切れないでしょう。しかし、専業主婦を希望している女性にとっては「厳しい…」と感じるのかもしれませんね。

また、共働き世帯が増加しているとはいえ、子どもを産むことを考えているならば、どちらか一方の収入が減る時期もあると考えるのが自然です。子育てにはお金がかかりますから、「パートナーの年収が400万円は少ない」と感じる人もいるかもしれません。

しかしパートナーの収入が重要だとしても、数字ばかりにとらわれるのも良くありません。

「大企業に就職したから安泰」という時代ではないからこそ、「個人のスキル」「将来性」も考慮するべきでしょう。

また、勤めている会社が「子育てしやすい会社」かどうかも考えてみると良いかもしれません。

「男性は女性よりも稼がなきゃ」「女性の方が年収が高いなんて…」という価値観も、そろそろ薄れてくるかもしれません。

結婚における収入の重要性は今も変わりませんが、その内容は変化しているでしょう。

今の時点での年収だけではなく、「パートナーの稼ぐ力」「自分自身の稼ぐ力」「子育て環境」などを総合的に判断して、結婚するかしないかを決める人が増えているのではないでしょうか。

【参考】
「若者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状」労働政策研究・研修機構
※1 「平成29年分 民間給与実態統計調査」国税庁

LIMO編集部