3. 【まとめ】所得控除で節税に 見逃せない「課税の繰り延べ」メリット
先のシミュレーションでは毎月1万5000円を拠出する想定でした。年間では18万円で、この全額が所得控除となり、節税につながるメリットもあります。
所得税および住民税の税率が20%なら、節税額は大まかに年間3万6000円であり、35年間の累計では126万円に達します。資産形成をしながら、同時に現在の収支にゆとりを作れることは、iDeCoならではのメリットです。
一方、iDeCoは受取時に課税されるため、「課税を繰り延べているだけ」という指摘もあります。受取時は退職所得控除または公的年金控除の適用があるとはいえ、将来の課税に警戒感を抱く人は少なくないでしょう。
もっとも、課税の繰り延べ自体にも価値があります。支出を遅らせることと同義のため、加入者は「期限の利益」と同等の価値を得ます。また、お金の時間的価値の考え方から、将来の課税の負担は実質的に現在より小さくなります。
老後に向けた資産づくりは、いずれ誰もが向き合わなければならない課題です。せっかく備えるなら、掛金が全額所得控除になり、運用益も非課税となるiDeCoは、合理的な選択肢のひとつといえるのではないでしょうか。
参考資料
- 国民年金基金連合会「加入者数等について(令和8年3月時点)」
- 厚生労働省「私的年金制度、iDeCoの改正のポイント」
- 国民年金基金連合会「iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入等の概況(2026年3月)」
- 厚生労働省「確定拠出年金制度の概要」
- 運営管理機関連絡協議会「確定拠出年金統計資料(2025年3月末)」
- 厚生労働省「公的年金シミュレーター」
- 国民年金基金連合会「iDeCo(イデコ)のメリット」
若山 卓也