5. まとめにかえて
70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額を見ると、平均値は2416万円と2000万円を上回っています。しかし、中央値は1178万円にとどまっており、平均値だけでは実態をつかみにくいことがわかります。
また、70歳代でも約1割の世帯が金融資産を保有していないと回答しています。老後の家計は、公的年金の受給額や貯蓄の有無、住まい、健康状態によって大きく変わるため、「同年代の平均」だけで安心できるとは限りません。
実際に、70歳代の無職世帯では、70~74歳、75歳以上のいずれも月々の支出が収入を上回っています。年金収入だけでは不足が生じ、貯蓄を取り崩しながら生活している世帯も少なくないでしょう。
さらに、年齢を重ねるほど医療費は増えやすく、入院に関わる費用の割合も高まります。老後資金を考える際は、日々の生活費だけでなく、医療費や介護費、住宅修繕費などの支出にも備えておきたいところです。
老後の家計に不安がある場合は、まず年金見込額や現在の資産額、毎月の支出を確認してみましょう。そのうえで、働き方の継続、支出の見直し、公的支援制度の活用など、自分の状況に合った対策を考えていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
- 厚生労働省「年齢階級別1人当たり医療費(令和4年度、医療保険制度分)」
加藤 聖人