5. 「個人向け国債」や「定期預金」以外の選択肢を検討したい場合も
個人向け国債や定期預金は、安全性の高さに加え、金利による収益が期待できる点が特徴です。
一方で、状況によっては、ほかの金融商品も視野に入れたいケースがあるかもしれません。
5.1 物価上昇(インフレ)への対応を重視したい場合
資産運用を考えるうえで、「実質的な資産価値を維持できるか」は重要な判断材料となります。
インフレが進行している局面では、個人向け国債の利息収入(名目利回り)だけでは、物価上昇のペースに十分対応できない場合があります。
そのため、リスクは高まるものの、より高いリターンが期待できる、またはインフレに連動する特徴を持つ金融商品(株式・投資信託・不動産など)のほうが、実質的な資産価値を維持しやすい可能性があります。
5.2 より高い収益を目指したい場合
ここでポイントとなるのは、「機会損失をどこまで許容できるか」です。
一般的に、安全性が高いとされる個人向け国債や定期預金は、利回りが比較的低くなる傾向があります。
そのため、資金を個人向け国債や定期預金に置くことで、高金利の個人向け社債や高配当株など、より高い利回りが期待できる商品へ投資する機会を逃す可能性(=機会損失)が考えられます。
6. 個人向け国債は「安全性」と「使う時期」を踏まえて選ぼう
本記事では個人向け国債の「2026年5月募集分の最新条件」を整理するとともに、変動10年の仕組みや過去の金利推移について解説しました。
変動10年は金利上昇局面で利息増加が期待できる一方、固定タイプは購入時の金利が満期まで維持される安心感があります。
また、定期預金と比べる際は、資金をいつ使う予定なのか、金利変動をどう考えるのかが重要な判断材料となります。
さらに、資産全体のバランスを考えた場合、安全資産として組み入れる選択肢も考えられるでしょう。
ただし、中途換金時の条件やインフレ時の実質的な資産価値など、注意すべき点もあります。
資金の用途や運用期間を整理し、自身に合った方法を選べるとよいでしょう。
参考資料
著者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)/元銀行員
秋田県秋田市出身。宇都宮大学教育学部卒業後、株式会社栃木銀行に入行。主に個人リテール業務へ従事。若年層から富裕層まで幅広い世代へ投資信託・保険を中心に総合的なライフプランニングを行ってきた。リテール営業行員内で上位の成績を保ち、全行員内1位の成績を収める。また、社内教育にも尽力し、人材育成にも携わる。
現在は金融IT企業で個人向け資産運用のコンサルティング業務を行う。一種外務員資格(証券外務員一種)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)を保有。(2024年4月15日更新)
監修者
LIMO編集部銀行出身者チームは株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、メガバンクや地方銀行などの大手金融機関にて、資産運用相談や融資業務の経験を積んだ「元銀行員」の編集者が中心となり構成されている、金融専門のライティングチームです。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍しています。
LIMO編集部銀行出身者チームには株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、株式会社第四銀行(現:株式会社第四北越銀行)出身の石津大希など、資産運用アドバイザーとしての実務経験を有する編集者が在籍しており、各編集者がファイナンシャル・プランナー(FP)として、シニア層から富裕層まで幅広い層の相談に対応してきた点が強みです。
金融機関での勤務経験年数はチーム合計で20年超。表彰歴を持つ編集者も多数在籍しています。国税庁や金融庁など官公庁の公開情報をもとに、豊富な経験と知識を有するプロフェッショナル集団が、読者に正確で実践的な情報をお届けします。
【主な取り扱いテーマ】厚生労働省管轄の厚生年金保険と国民年金(老齢年金・障害年金・遺族年金)、年金制度の仕組み、社会保障、貯蓄、資産運用、NISA、iDeCo、住宅ローン、カードローン、為替相場、株式投資などを中心に記事の企画・執筆・編集・監修を行っています。(最新更新日:2026年1月9日)