2. オリエンタルランド(4661)なぜ「株価は下げ止まらない?」考えられる3つの理由
業績は停滞しているものの、現在の値下がりを説明できるほど悪くはない印象です。オリエンタルランドの株価は、なぜ大きく下落しているのでしょうか。下落の理由と考えられる3つの理由を押さえましょう。
2.1 入園者数が頭打ち グロース株としての評価がはく落
1つ目は入園者数の鈍化です。トップラインである入園者が伸び悩んでおり、オリエンタルランドはグロース株としての地位が揺らいでいます。
2026年3月期の入園者数は前期比0.1%減となる2753.4万人でした。2700万人台は3期連続であり、停滞が顕著です。コロナ後に見せた高い成長は、今や過去のものとなりつつあります。
オリエンタルランドは、チケット価格の値上げなどで入園者1人あたり売上高は成長しています。しかし、現実に株価は下落していることから、単価の改善は投資家には響いていないといえるでしょう。
PER(株価収益率)は15倍前後が平均的であるところ、グロース株は成長性に対する期待が反映され、比較的高くなる傾向にあります。オリエンタルランドは、2023年に予想PERが100倍を超える場面もありましたが、現在は31倍台です。従来の高いPERは成長の鈍化で正当化が難しくなっており、株価は適正水準を模索する形で下落したものと考えられます。
2.2 インフレによる「消費離れ」とコスト増加に対する懸念
2つ目がインフレです。総務省によると、2026年3月の消費者物価指数は総合が112.7(2020年=100)となり、前年同月比で1.5%上昇しました。物価の上昇は家計収支を悪化させることから、余暇消費の減退を連想しやすく、オリエンタルランドの株価にはマイナスに働きやすいと考えられます。
また、インフレはオリエンタルランド側にも影響します。テーマパーク事業の諸経費は2027年3月期に約165億円の増加を見込みますが、うち80億円はメンテナンス費用やシステム関連費用といった設備の維持に伴うものが中心であり、今後も継続的に発生することが懸念されます。
費用の増加は利益を減らす要因です。オリエンタルランドはコストを抑制する方針ながら、インフレの根本的な対処は企業の努力が及びにくいところであり、投資家は成長イメージを描けていないのかもしれません。
2.3 大株主の売り出しリスク
3つ目が売り出しです。大株主である京成電鉄や三井不動産は、これまで断続的にオリエンタルランド株式を売却してきました。両社の所有株式は、2020年3月末から2025年9月末にかけて約8896万株減少しています。
資本効率の改善が要求されるなか、上場企業に対する保有株式の売却圧力は高まっています。今後も売り出しがあるとの認識は市場で共有されていると考えられ、上値を重くしているとみられます。