中には反抗的な態度を取られなくて「それほど大変でない」というお子さんもいると思います。欲しいものは何でも与えられた子供は、親子の葛藤のないまま大人になっていきます。確かの反抗期がないのは親子とも楽かもしれません。でも、社会に出たら色々な人がいます。例えば攻撃的な人と衝突が起きた時、すったもんだの耐性がないと突然会社を辞めてくる、ということもありえます。

逆のパターンで反抗期がないこともあります。親が何もかも支配して逆らえない場合や、反対に親が忙しすぎたり、親の不仲で反抗するタイミングを逃したりする場合です。過干渉でも無関心でも「反抗できない」つまり、親から自立するタイミングを逃してしまうのです。(反抗できるということは、イコール親が信頼できる、甘える対象でないとできません。)経済的に自立はしていても、精神的に自立できない、いつまでも親のせいにしたりします。

まとめ:反抗期って、ないと困るんです

今まで「お母さんお母さん」と頼っていた子供が、終始仏頂面で時おり暴言も吐く。「自分の育て方が悪かったのかしら・・」と思ってしまいますがそんなことありません、自立に必要なステップなのです。「反抗期って何であるのか?」という知識があるだけで、「クソばばあ!」の響きもずいぶん違ってきます。

子供自身が成長しているのだから、大人も成長、つまり「今までとは違う対応」が必要なのです。親は思春期じゃないので、同じ土俵に立って嵐に巻き込まれないこと、「ウザイ」と言われたくないなら「ウザイ」と言われないように手を掛け過ぎずに、そっと見守ればいいのです。正常な発達段階であるということ、子供が親から離れる大切な儀式だということが分かると、むしろ喜ぶべきことだと思えるようになります。親は子供を1人の大人として尊重する心の準備が必要です。

とはいえ、やはり反抗的な態度は頭にくるものです。そんな時は、親も学校のカウンセリング室でデトックスすることをおススメします。悩みごとが解決しなくても人に話すだけでスッキリしますし、相手は心理のプロですから色々なアドバイスをしてくれます。「物言わぬは腹ふくるるわざ」と徒然草で兼好法師もいっています。ぜひ吐き出して、スッキリして子供に接したいですね!

堀田 馨