ご当地グルメにご当地キャラクター、ご当地アイドルなど……近年、各都道府県で親しまれる“ご当地シリーズ”が人気を博しています。そんなご当地シリーズですが、定番の保存食である「缶詰」にも地域発祥製品があることをご存じですか?今回は、「マルハニチロ株式会社」が実施した「缶詰に関する調査2019」を元に、他県の人に自慢したい「ご当地缶詰ランキング」をご紹介します。
第5位 おでん缶/東京都
第5位にランクインしたのは、東京都・秋葉原が発祥の「おでん缶」です。おでん缶は、2005年に大ヒットしたテレビドラマ「電車男」がきっかけで全国に知れ渡った商品。一方でおでん缶自体は、1980年代初頭からあったといいます。
おでん缶の生みの親は、1923年創業の老舗缶詰メーカー「天狗缶詰株式会社(愛知県・名古屋市)」。1985年に「初代・こてんぐ おでん缶」を開発し、当初は缶コーヒーと同じサイズの缶で販売していました。その後、缶のサイズを大きくしたり、商品バリエーションを増やしたりと、改良に改良を重ねます。現在販売されているのは、2010年にリニューアルした5代目商品とのことです。
なお、「静岡おでん缶(静岡県)」や「生姜味噌おでん缶(青森県)」など、今や全国各地でご当地・おでん缶を見かけるようになりました。その地域によって、具材や味付けが異なるのもユニークです。
第4位 鹿肉缶/北海道
北海道といえば、鹿肉やイノシシ肉を用いたジビエ料理が有名。第4位に選ばれたのは、エゾ鹿肉を大和煮やカレー煮にした「鹿肉缶」です。商品によって異なるものの、1缶あたり800円〜900円程度で販売されています。ネット通販が基本となりますが、全国各地にある北海道のアンテナショップでも手に入ります。
「そもそもなぜ鹿肉を缶詰に?」と思われるかもしれません。元々鹿肉缶は、エゾシカなどの害獣を食肉利活用するために開発されました。中でも天然のエゾ鹿肉は、高タンパクかつ低脂肪で、コレステロール値も低い“ヘルシーミート”。牡蠣や牛レバー同等の鉄分(100gあたり3.4mg)を含むなど、非常に栄養価の高い食材です。
それを濃い口の醤油・味噌ベース、またはスパイシーなカレーベースで味付けし、ジビエ特有のクセを抑えることに成功。老若男女、食べやすい味に仕上がっています。ご飯のお供やおつまみにぴったりの一品ですよ。
第3位 サバカレー缶/千葉県
第3位は、千葉県のご当地缶詰である「サバカレー缶」。1996年に放送された「浅野温子」さん主演ドラマ、「コーチ」がきっかけで生まれた商品です。九十九里浜にある缶詰工場が舞台のテレビドラマで、劇中に登場したサバカレー缶を「信田缶詰株式会社(千葉県・銚子市)」が商品化。発売から半年間で24万個を売り上げるなど、一次は入手困難になったほどの売れ行きでした。
缶詰の中には、大ぶりにカットされたサバにじゃがいも、玉ねぎなどの野菜類が入っています。スパイシーなカレーペーストで味付けされているため、サバ特有の臭みも気になりません。ちょっとピリ辛な千葉県生まれの和風カレー缶詰。機会があったらぜひ食べてみて!