ゴールデンウィークが明け、日差しに初夏の気配を感じる季節になりましたね。もし病気やケガで働けなくなったとき、私たちの生活を支えてくれる社会保障のひとつとして「障害年金」があります。

「審査が厳しいのでは?」と不安に思う方も多いかもしれませんが、実は今、公平な審査を目指した大規模な再点検が進んでいます。今回は最新の点検結果とともに、2026年6月から反映される改定後の年金額について、わかりやすくお伝えします。

1. 【障害年金】再点検で444件「不支給→支給」へ変更!

障害年金は生活を支える大切な制度ですが、現在は「より公平で正しい審査」を目指して、国による過去の決定の総チェックが進んでいます。

日本年金機構より最新の速報値が更新されました。点検済件数は1万4841件、うち支給となった件数は444件(約3.0%)と公表されています。

不支給等事案の点検1/3

不支給等事案の点検

出所:日本年金機構「障害年金の認定状況について」

こうした点検が行われている背景には、より適切な認定を目指す国の姿勢があります。特に精神障害の分野では、数値化しにくい「日常生活の困難さ」をどう客観的に評価するかが課題となっており、審査の目安と実際の判定の整合性を高める取り組みが続いています。申請を検討する際は、最新の認定傾向を正しく把握しておくことが大切です。

2. 【障害年金】6月支給分から増額へ!障害基礎1級「105.9万円+子の加算額」

来月6月15日の支給分からは、いよいよ令和8年度の新しい年金基準額が反映されます。

今回の改定では、物価や賃金の変動に合わせて支給額が微増しており、4月分と5月分の2カ月分がまとめて振り込まれることになります。

2.1 2026年度の障害基礎年金

2026年度の障害年金「年金月額」

2026年度の障害基礎年金

出所:日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」

主な年金額(昭和31年4月2日以降生まれの方の場合)は以下の通りです。

  • 1級:105万9125円+子の加算額
  • 2級:84万7300円+子の加算額

※子の加算額:2人目までは1人につき24万3800円、3人目以降は1人につき8万1300円

2.2 2026年度の障害厚生年金

  • 1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金(24万3800円)
  • 2級:報酬比例の年金額+配偶者加給年金(24万3800円)
  • 3級(最低保障額):63万5500円

障害厚生年金については、お勤め時の給与や加入期間によって「報酬比例部分」が変動しますが、3級には上記のような最低保障額が設けられています。また、生年月日が昭和31年4月1日以前の方や、ご家族の状況によって細かな加算が異なります。

こうした年度ごとの改定を知り、現在の支給水準を正しく理解することは、社会保障を自分事として捉える大切なステップとなります。

3. 【障害年金】1級から3級まで「障害手当金はどんな時に一時金としてもらえる?」

障害年金で支給対象となる「障害の程度」は、法律によって1級から3級までの等級が定められており、これは身体障害者手帳の等級とは異なる独自の基準です。

3.1 【障害等級1級】

もっとも重い1級は、他人の介助がなければ日常生活がほぼ送れず、活動範囲がベッドの周辺に限られるような状態を指します。

3.2 【障害等級2級】

2級は、必ずしも他人の助けを借りる必要はなくても、日常生活が極めて困難で、働くことで収入を得ることが難しい程度の状態が目安となります。

3.3 【障害等級3級】

厚生年金独自の区分である3級は、日常生活に支障はなくても仕事に著しい制限がある場合が対象となり、さらに症状が固定(治癒)した際に労働が制限される程度のものは障害手当金(一時金)が支給される仕組みです。

このように、等級は「日常生活の困難さ」や「労働への影響」という多角的な視点で区分されており、こうした具体的な基準を知ることは、万が一の備えとして制度を正しく理解する助けとなります。

4. まとめにかえて

今回は日本年金機構の最新データをもとに、障害年金の点検状況と2026年度の改定額について解説しました。「自分には関係ない」と思われがちな制度ですが、不支給だった事案が救済されるケースも出ており、制度の公平性は着実に高まっています。

また、物価に合わせた年金額の微増など、社会保障も私たちの生活に合わせて少しずつ変化しています。今の基準を正しく知っておくことは、自分や大切な家族の未来を守るための第一歩になります。

参考資料

村岸 理美