続いて、30~40代の貯蓄状況をみてみましょう。

2019年3月、SMBCコンシューマーファイナンスは30~49歳の男女を対象に『30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019』を実施しました。なお有効回答の1000サンプルから男女×30代前半・後半、男女×40代前半・後半が均等になるように抽出しています。

その結果、23.1%の人が「貯蓄が『0万円(貯蓄ができていない)』である」と回答しています。さらに、24.6%の人が「貯蓄が『1万円~50万円以下』」という結果に。これらを合わせると、貯蓄が100万円以下の割合は60.5%となっています。

その一方で、8.0%の人が「500万円超~1千万円以下」、9.8%の人が「1千万円超」と回答しています。働き盛り世代の中でも、貯蓄の状況には大きな差があるといえるでしょう。

なお、極端な値の影響をなくすため、上位と下位から各10%のデータを除いて算出した相加平均は195万円となっています。

「持たざる世代」は消費傾向も「持たない世代」

SMBCコンシューマーファイナンスでは消費意識についても調査しています。

「多少無理しても、いいものにお金をかけたい」かとの問いに、「そう思う」と回答したのは46.7%と約半数となっています。

また「購入検討する際、同じ商品群・サービスの中で「最安値」のものは必ずチェックする」かとの問いに対して「そう思う」は81%と、多くの人が比較・検討を行い慎重に買い物をしていることが分かります。

また「自己投資(スキルアップのための勉強や資格取得など)にお金をかけたい」と思うかとの問いに、「そう思う」は52.2%と約半数となっています。

ひと月あたりの使っている金額は、自己投資(スキルアップのための勉強や資格取得など)が平均7567円、自分磨き(美容やファッションなど外見磨き)が平均7262円となっています。

これ以外にも、「自分の趣味嗜好に合う「もの」や「こと」」に対しては、月平均1万2281円使っているようです。

将来を見据えた自己投資や、自分が本当に好きなことがらに対する消費が多いようです。「将来の自分にとってどうか」「今の自分が本当に満足するものか」という「自分視点」を重視しているといえるのではないでしょうか。

「モテたい」や「見栄」などの「他人」を意識した感情でお金を使うことは、あまりないのかもしれません。

まとめ

若い世代は終身雇用制度も保証されておらず、雇用形態も契約社員などの不安定な状態の人も多くいます。今の若い世代がシニア世代になったとき、どれほどの貯蓄額があるのでしょうか。

世代間格差が今後どのように変化するのか、少しでも是正されることを願います。

【参考】
『家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成30年(2018年)平均結果-(二人以上の世帯)』総務省統計局
『30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019』SMBCコンシューマーファイナンス

【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

LIMO編集部