貯蓄額や負債額は世代によってさまざま。比較的余裕がある世代もあれば、ギリギリの状態をなんとか維持している世代もあります。
そこで今回は、世代ごとにおける貯蓄や負債の状況を比較してみました。
「持てる世代」と「持たざる世代」
2019年5月に総務省が発表した『家計調査報告(貯蓄・負債編)-平成30年(2018年)平均結果-(二人以上の世帯)』では、世代別の貯蓄や負債状況が以下のように示されています。
【世代別の一世帯あたり貯蓄現在高平均値】
40歳未満:600万円
40歳代:1012万円
50歳代:1778万円
60歳代:2327万円
70歳以上:2249万円
一世帯あたりの平均貯蓄現在高は1752万円となっており、世代が上がるほど貯蓄が多い傾向がうかがえます。
【世代別の一世帯あたり負債現在高平均値】
40歳未満:1248万円
40歳代:1105万円
50歳代:683万円
60歳代:207万円
70歳以上:104万円
こうみると、世代が若いほど負債額が多い状況が分かります。マイホーム購入により、ローンを抱える世帯が多くなっているのでしょう。一世帯あたりの平均負債現在高は558万円でした。
全体的に見てみると、40歳未満の貯蓄現在高平均値が600万円であるのに比べ、60歳代は2327万円、70歳以上は2249万円と4倍近い差がうまれています。
それに加え、40歳未満は負債額が最も多い世代でもあります。社会保険料の増加傾向など、家計への負担が大きくなっているのでしょう。
その一方、十分な生涯賃金と退職金を得られるシニア世代は、若い世代に比べ余裕がある様子がうかがえます。このように「持てる世代」と「持たざる世代」が存在しているのは、世代間ごとによる経済状況の違いが関係しています。