4. 「テーマ」から「産業」へ変わる分岐点:普及率15%の法則

では、テーマ投資は単なる一過性のブームで終わってしまうものなのでしょうか。

泉田氏は、すべてのテーマ投資を否定しているわけではありません。一部のテーマは、ブームを越えて一つの巨大な「産業」へと成長する可能性があるからです。

その代表例が「iPhone」です。発売当初は「スマートフォン」という新しいテーマに対する期待先行の投資でしたが、やがて世界中に普及し、Apple以外のメーカーも参入することで、巨大な産業トレンドへと昇華しました。

泉田氏は、単なるテーマ投資が本格的な産業へと変わるかどうかを見極める重要な指標として「普及率(ペネトレーション)」を挙げます。

「個人的な感覚でいくと、普及率15%を超えてくると1つの大きな産業に認められる可能性がすごく大きくなるので、普及率がどれくらいかっていうのを常に意識した方がいい」

普及率が15%を超えてくると、その製品やサービスが社会のインフラとして認知され始めます。例えば、農業の現場で働く100人のうち15人がロボットに置き換わったとすれば、それはもはや一時的な話題ではなく、明確なトレンドです。

この段階になると、これまでテーマ投資を敬遠していた機関投資家も「これは産業トレンドだ」と認識を改め、本格的な調査と投資を開始するため、株価がさらに力強く上昇するメカニズムが働きます。

一方で、普及率が高まりすぎた段階にも注意が必要です。

「今度普及率が本当に9割とか超えてきちゃうともうみんなに無視されるというか、『当たり前だよね』みたいな感じになっちゃうんで、そこはやっぱり普及率を常に意識すると面白い」

普及率が90%を超えると、市場の成長余地が乏しくなり、株価にはすでにすべての期待が織り込まれた状態になります。

投資家にとって最も「おいしい」スイートスポットは、普及率15%前後のタイミングを見極めることにあると言えます。