4. 制度の転換期を「自分らしいキャリアと老後」を再考するきっかけに

今回は最新の統計データをもとに、公的年金制度の現状と女性の受給水準、そして就業環境の変化について解説しました。

調査結果が示す通り、女性の厚生年金受給額は依然として低水準に留まっています。これまでは「第3号被保険者」として扶養内で働くことが一つの合理的な選択肢とされてきました。しかし、2026年10月に控える社会保険の適用拡大(企業規模要件の撤廃)に象徴されるように、制度そのものが「働ける人は社会保険に加入する」方向へと大きく舵を切っています。

将来の年金額を増やすためには、自ら厚生年金に加入し、キャリアを継続することが有効な手段となります。ただし、それは個人の努力だけで完結する問題ではありません。データの通り「妻の家事・育児負担が夫の約4倍」という構造的な課題を解消し、社会全体、そして家庭内での役割分担をアップデートしていくことが、結果として将来の老後資金格差を埋める一助となるでしょう。

制度の大きな転換期を迎えている今、単なる損得勘定を超え、自身のライフスタイルに合った「納得感のある働き方」をパートナーと共に模索してみてはいかがでしょうか。

参考資料

村岸 理美