6. 年金を受け取りながら働く人が知っておきたい「在職老齢年金制度」
年金だけで老後の生活費をまかなえるのか、不安を感じる人は少なくありません。60歳以降も働き続け、年金に給与収入を加えることは、老後の家計を支える現実的な選択肢のひとつです。
ただし、老齢厚生年金を受け取りながら会社員などとして働く場合は、「在職老齢年金制度」に注意が必要です。
在職老齢年金制度とは、60歳以降に老齢厚生年金を受給しながら働く人について、賃金や賞与と年金額の合計が一定額を超えると、老齢厚生年金の一部または全部が支給停止される仕組みです。
対象となるのは老齢厚生年金であり、老齢基礎年金は支給停止の対象ではありません。
6.1 在職老齢年金制度の見直しについて
2026年4月からは、支給停止の判定に使われる「支給停止調整額」が、2025年度の月51万円から月65万円へ引き上げられます。
この改正により、給与や賞与をもとにした報酬と老齢厚生年金の合計が月65万円以下であれば、老齢厚生年金は減額されずに受け取れるようになります。
これまで「働くと年金が減るかもしれない」と考え、勤務日数や労働時間を抑えていた人にとっては、働き方を見直しやすくなるでしょう。
今回の見直しは、60歳以降も希望に応じて働き続けやすくするための改正です。年金と就労収入を組み合わせて老後の家計を支えるうえで、押さえておきたい制度変更といえます。
著者
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)、生命保険募集人。証券会社で約8年間、株式や投資信託、生命保険等の販売に携わる。退職後はフリーライター兼個人投資家として活動。金融ジャンルの記事を中心に執筆しつつ、日々のマーケット動向も注視している。
監修者
マネー編集部年金班は株式会社モニクルリサーチが運営する『くらしとお金の経済メディア ~LIMO(リーモ)~』において、地方自治体の公務員や生命保険会社等の金融機関にて勤務経験が豊富な編集者が中心となり、厚生労働省や官公庁の公開情報等をもとに公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障制度などをテーマに、丁寧で読者にとってわかりやすい記事の情報発信を行っています。
マネー編集部年金班に所属する編集者は日本生命保険相互会社出身の村岸理美、地方自治体職員出身の太田彩子、株式会社三菱UFJ銀行と三井住友信託銀行株式会社出身の和田直子、株式会社三菱UFJ銀行出身の中本智恵、野村證券株式会社出身の宮野茉莉子、SMBC日興証券株式会社出身の安達さやか等のファイナンシャルアドバイザー経験者等で構成されており、表彰歴多数の編集者も複数在籍しており、豊富な金融知識をもとにした記事に定評があります。
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)などの資格保有者も多数在籍。生保関連業務経験者は過去に保険募集人資格を保有。(最新更新日:2025年6月8日)