セカンドライフをより豊かに、安心して過ごすためには、賢い資産管理がとても大切です。シニア世代の皆様を支える公的な給付金や助成金の中には、ご自身で申請やお手続きを行うことで、初めて受け取れる仕組みのものが多くあります。
今回は、シニア世代向けに手続きしないともらえない《年金・雇用保険・自治体》に関わるお金8選について解説していきます。
※LIMOでは、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
1. 《年金》に関わるもの:「年金の上乗せ」「未支給分」3つ紹介!
年金は受給が始まれば一安心と思われがちですが、状況の変化に合わせて追加で受け取れる仕組みがあります。
1.1 ①老齢年金生活者支援給付金
所得が一定基準以下の老齢基礎年金受給者の方をサポートするための制度です。対象となる方には日本年金機構から「大切なお知らせ」として封筒が届きます。手続きをして初めて支給が始まりますので、お手元に届いていないか今一度ご確認ください。ご自身での記入が難しい場合は、ご家族や代理の方による代筆も認められています。
1.2 ②加給年金・振替加算
「年金の家族手当」のような制度です。厚生年金に20年以上加入している方に、生計をともにする65歳未満の配偶者がいる場合などに加算されます。配偶者が65歳になると、今度は配偶者ご自身の年金に「振替加算」として引き継がれる場合があります。
自動で切り替わらないケースもございますので、対象になりそうな方は一度年金事務所へ相談してみるのがおすすめです。
1.3 ③未支給年金
年金を受けていた方が亡くなった際、まだ受け取っていない分(亡くなった月までの分)を遺族の方が受け取れる制度です。年金は後払いという仕組み上、亡くなった月までの分が後から発生します。生計を同じくしていた3親等内の親族までが対象となりますので、もしもの時は落ち着いて窓口へお問い合わせください。
2. 《雇用保険》に関わるもの:60歳以降「働くシニア」のサポート2つ紹介!
60歳以降も現役で活躍される方や、お仕事を離れた際に支えとなる給付があります。
2.1 ④高年齢雇用継続給付
60歳以降も働き続ける際、お給料が60歳時点の75%未満に下がってしまった場合に受け取れる給付金です。対象者は、60歳以上65歳未満の一定の一般被保険者の方です。現在は最大で賃金の15%が補助されますが、2025年4月1日以降に60歳になる方からは、支給率が最大10%へと変更されます。
2.2 ⑤高年齢求職者給付金
65歳以上の方が離職し、次のお仕事を探す場合に受け取れる失業保険の一種です。通常の失業保険とは異なり、「一時金」としてまとめて受け取れるのが特徴です。受給期限は離職の翌日から1年間ですので、ひと段落ついたら早めにお手続きしましょう。
3. 《自治体》制度:猛暑対策エアコン設置費用など!「独自のリフォーム・家電助成」紹介
各市区町村が独自に行っている助成金は、地域の広報誌やホームページにヒントが隠れています。
※ご注意: 自治体の助成制度は地域によって実施状況や内容が大きく異なります。全国一律の制度ではないため、必ずお住まいの役所の窓口やホームページで詳細をご確認ください。
3.1 ⑥高齢者住宅改修費給付(バリアフリー補助金)
介護保険の枠組みとは別に、自治体が独自にリフォーム費用をサポートしてくれることがあります。例えば大阪市「高齢者住宅改修費給付」では、所得に応じて工事費用のうち最大30万円までの給付を行っています。
- 対象者:大阪市在住で、介護保険料第1~6段階かつ要支援以上の高齢者がいる世帯
手すりの設置などを検討される際は、まず役所の窓口へ相談してみましょう。
3.2 ⑦エアコン設置・買替え費用助成
猛暑から健康を守るため、エアコンの購入費を助成する自治体があります。例えば南足柄市では、2026年5月から省エネ家電への買替え補助を実施予定です。こうした助成制度はすべての自治体で実施されているわけではありません。 実施の有無を含め、受付時期や補助金額、対象となる家電の省エネ基準などは地域によって大きく異なります。せっかくの制度を逃さないためにも、購入前にまずは気軽にお住まいの自治体の窓口へ確認してみてはいかがでしょうか。
3.3 ⑧補聴器購入費助成
毎日の会話をより楽しむための補聴器購入を、自治体が応援してくれるケースがあります。例えば相模原市では、条件を満たす方に上限2万円の助成を行っています。こちらも「購入前に申請」し、医師の診断を受けることが必要になる場合が多いため、まずは役所の高齢者福祉窓口を訪ねてみるとよいでしょう。
4. まとめにかえて
今回は年金や雇用保険、自治体の助成金の中から「知らないと1円ももらえない」手続きが必要な《公的なお金》8選を解説しました。
年金には所得に応じた給付金や家族手当のような加算制度があり、申請漏れがないか確認することが大切です。また、60歳以降の働くシニアを支える雇用保険の給付や、自治体が独自に実施するリフォーム・家電購入の助成なども見逃せません。これらの公的支援の多くは自動的には支給されないため、まずはご自身が対象になるか調べてみましょう。もし気になる制度があれば、お近くの年金事務所や住んでいる役所の窓口へ気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
※本記事に掲載している情報は、執筆時点の制度に基づいています。自治体の助成金は年度ごとに内容が更新されたり、予算に達し次第終了したりする場合もあります。必ずお住まいの自治体のホームページや窓口で、最新の実施状況をご確認ください。
参考資料
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金」
- 日本年金機構「加給年金額と振替加算」
- 日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
- 日本年金機構「離職されたみなさまへ <高年齢求職者給付金のご案内>」
- 大阪市「高齢者住宅改修費給付事業」
- 大阪市「大阪市高齢者住宅改修費給付事業申請のしおり(住宅改修施工事業者用)」
- 南足柄市「【令和8年5月1日受付開始】エアコン・冷蔵庫★★★省エネ家電製品買替え補助事業」
- 相模原市「介護予防促進事業(高齢者補聴器購入費助成)事業案内」
筒井 亮鳳