筆者自身が両親や義両親に対して、もう一方の孫への接し方についての話をすることはありませんでしたが、子どもが3歳を迎えるころになると少しずつ、状況が変わってきました。なぜなら、成長するにつれて息子の口が立つようになり、どちらかの両親の前でもう一方の両親のことを話すようになってしまったからです。少しヒヤッ!としたケースをご紹介しましょう。
ケース1:お盆の帰省中。服をほめられた息子の返答にヒヤッ!
義母:「〇〇くん、かっこいいお洋服着てるね~!」
息子:「これねぇ、トミカのTシャツなんだぁ!ババが買ってくれたの!靴下もズボンも買ってくれたんだよ♪」
義母:「へぇ~そうなのね…洋服買ってもらってるのねぇ。」
ケース2:母からの電話。誕生日プレゼントの希望を聞かれた息子の返答にヒヤッ!
母:「〇〇くん、今年のお誕生日は何が欲しい?おばあちゃんにも教えてほしいな♪」
息子:「ねぇ、どうしてババ(母)はいつもプレゼントくれるのに、〇〇ババ(義母)はプレゼントくれないの?」
母:「エッ?どういうこと!?プレゼントくれないの?」
息子:「そうだよ!プレゼントをくれるババとくれないババ。」
このように母も義母も予期せず、息子との会話の中でお互いの状況を知ってしまうというケースが最近増えているようです。今のところ、どちらの母からも筆者が直接問いただされたことはありませんが、孫に対する考え方や尽くし方が異なっていることに両者とも薄々感付いているのではないかと思います。今後も息子の会話力が向上するにつれて、双方ともにお互いのより詳しい状況を知ることになるでしょう。
筆者から両親や義両親へ情報を直接シェアすることも考えましたが、娘である筆者から話すことで恥をかかせてしまったり、傷付けてしまったりするのではないかという思いもあります。そのため少し怖い部分もありますが、無垢な3歳児からの情報によって、両者がお互いの接し方を察し、少しずつでも孫に対する“尽くし方”のギャップが埋まっていくことを願っています。
考え方のギャップを徐々に埋めていくのが理想
一般的に1人の孫には、全く異なる環境で暮らす2組の祖父母がいます。そのため両者の孫に対する尽くし方に大きなギャップがある場合もあるでしょう。しかし「向こうのお母さんは、いつもこんなことをしてくれているよ!」などと無理にギャップを埋めようとすると、両者の関係ヒビが入ってしまうかもしれません。
そのため孫と祖父母との自然な会話の中から、お互いの孫への対応にギャップが大きいことを知ってもらうのもひとつのアイデアです。両者が徐々に歩み寄ることにより、良好な関係を築けるかもしれませんね!
上田 みどり