上昇の波に乗った吉野家HDの株価、連日で年初来高値を更新

大手牛丼チェーン店「吉野家」や讃岐うどんチェーン店「はなまるうどん」等を運営する外食チェーン店持株会社「吉野家ホールディングス」の株価が好調です。

年明け以降、同社の株価は概ね1,700~1,900円のレンジ内を推移していましたが、7月10日に昨年9月以来となる2,000円超えとなり年初来高値を更新。

その後も上昇が続き、7月17日にはザラバで2,198円まで上昇、連日の年初来高値更新となっています。18日は市場全体が大幅調整となったあおりを受け、終値は▲1%弱の下落となりましたが、他の外食株と比べても底堅さが目立ちました。

また、注目すべきは、7月10日以降の出来高の多さです。それまで日々の出来高は概ね20~30万株程度でしたが、10日は300万株超の大商いとなり、11日は約243万株、12日は約101万株、3連休明けの16日は約120万株の商いとなりました。

この出来高を伴った株価上昇は、新たな買い手(投資家)が増えており、吉野家HDに対する評価が従前より大きく高まったことを意味しています。

吉野家HDの過去1年間の株価推移

第1四半期決算でいきなり通期計画を達成する増収増益に

今回の株価上昇のきっかけは、間違いなく、7月9日に発表された2020年2月期の第1四半期(3-5月期)決算でしょう。売上高は528億円(対前年同期比+6%増)、営業利益は10億円(前年同期は▲2億円の赤字)、最終損益は11億円(同▲4億円の赤字)の増収増益となりました。

しかも、吉野家HDが公表している通期(1年間)の会社予想は営業利益10億円、最終利益3億円ですから、最初の3カ月間でいきなり会社予想を達成したことになります。

確かに、元々の会社予想が保守的(低過ぎた)だったことは考慮しなければいけませんが、当初の会社計画以上に好調に推移していることは間違いないと見ていいでしょう。

昨年度は多額の最終赤字に転落、わずか3カ月で何が起きたのか?