2. FPが解説する年金のよくある誤解①「年金制度はいずれ破綻する」は本当か

日本の公的年金制度には、「マクロ経済スライド」という仕組みが導入されています。

これは、社会情勢の変化、例えば人口構造や平均寿命の変動に応じて給付水準を自動的に調整するものです。

この仕組みによって、制度の長期的な財政の安定性を確保しています。

さらに、賃金の上昇や働く人の増加といった経済の成長も、年金財政の安定に深く関わっています。

そのため、年金制度について考える際は「破綻するのか」という点だけでなく、「どのようにして維持されているのか」という仕組みを理解することが重要です。

3. FPが解説する年金のよくある誤解②「年金保険料は将来もっと上がる」は本当か

少子高齢化が進行する日本において、「将来、保険料の負担がさらに増えるのではないか」と心配する方も少なくないでしょう。

しかし、実際には女性や高齢者の就業参加が進んだことで、年金制度を支える側の就業者数は、当初の想定を上回って増加しています。

この結果、年金財政の状況は改善に向かい、積立金の残高は予測よりも約70兆円多くなる見通しです。

これは、将来受け取る年金額が大幅に増えるというわけではありませんが、制度を将来にわたって維持していく力、つまり持続可能性を大きく向上させる良い材料といえます。

厚生年金の保険料率は、2017年に上限である18.3%で固定されました。

これにより、現役世代の負担が無限に増え続けることのない仕組みが作られています。

また、自営業者などが加入する国民年金の保険料についても、賃金や物価の変動に応じた調整は行われますが、少子高齢化だけを理由に際限なく引き上げられることにはなっていません。

このように、現役世代の負担増を抑制しながら、年金積立金の運用収益などを活用することで、制度全体の基盤が強化されているのです。