親からの仕送りもなくフリーターで月十数万円しか収入がない中では、電車賃を浮かすために2~3駅であれば徒歩を選択したり、もやしや玉ねぎなどコスパの良い野菜と乾麺を茹でただけの食生活で食費を削ったりといった生活を当たり前のように送っていました。急性胃腸炎になった時も入院してお金がかかるのが嫌だったので、市販薬を飲み家で悶絶しながらしのいだことを覚えています。

また生活が困窮していることを知っている人からは、「本当にお金に困ったら女の子は体を売れるから大丈夫」「早くお金持ちの男性と結婚しなきゃね」といった言葉も多く言われました。これは特に、アルバイト先の飲み屋で男性から当たり前のように言われた言葉でした。

「貧困は自己責任」から逃げられないのは若者だけではない

大学卒業後に就職しなかったのが悪い。若い女性が貧困から抜け出すためには、体を売る仕事かお金持ちの男性との結婚しかない。当時はこう言われることに対して「いま貧乏なのは就職をせずに夢を追った自分のせいだ」と、ずっと自己責任を感じていました。

しかし同時に、大学在学中の就職活動によってその後の人生が決まってしまう怖さも否めません。リーマンショックの影響で就活に失敗し、就職浪人をしていた何人かの友人が「人生もう終わった」と切羽詰まった表情をしていたことを思い出します。何かにつけて「自己責任」と言われ続けてきた平成生まれの筆者世代にとって、就活の失敗さえも自己責任だと追い詰められています。