株式市場の振り返り-海外株式市場の大幅続伸を背景に反発

2016年2月18日(木)の東京株式市場は再び上昇となりました。日経平均株価は前日比+2.2%上昇、TOPIXも+2.2%上昇で引けています。また、東証ジャスダックインデックスも+1.7%上昇となりました。

日経平均株価は、17日の米国市場が3連騰となったこと、原油価格が大幅上昇となったことなどから、寄り付きから買いが先行しました。前場は、前日比+390円高の16,227円で引けています。

中国は1月の消費者物価指数を公表し、前年同月比で+1.8%上昇しました。春節に関連して、食料品の需要増加、旅行などの関連費の上昇などが要因として含まれると分析しています。昼には黒田日銀総裁が、参院財政金融委員会において、金融市場の動きをこれからも注視し、必要であれば適切な措置を講じると述べました。

こうしたいくつかのニュースが出た後場は、前場終値近辺で一進一退としていましたが、徐々に値を上げ、一時+500円超高い16,337円を付けました。その後は少し軟調な展開となり、前日比+360円高の16,196円で引けています。

東証1部で上昇したのは1,725銘柄、値下がり171銘柄、変わらず42銘柄でした。東証1部の出来高は26億2,820万株、売買代金は2兆7,012億円(概算)となっています。売買代金が再び3兆円を割ったのが若干気掛かり材料です。

セクター動向と主要銘柄の動き―30業種が上昇。原油相場の上昇から、石油関連銘柄の買い戻しが目立つ。

東証33業種では30業種が上昇し、3業種が下落しました。大きく上昇したセクターは、石油・石炭+6.0%、鉱業+5.9%、卸売業+4.4%、鉄鋼+4.2%などでした。一方、下落したのは、空運業▲0.8%、ゴム製品▲0.7%、情報・通信業▲0.2%の3業種のみでした。

個別銘柄では、国際石油開発帝石(1605)、石油資源開発(1662)、JXホールディングス(5020)、東燃ゼネラル石油(5012)、昭和シェル石油(5002)、出光興産(5019)など、昨日売られた石油関連株が買い戻されました。また、昨日、年初来安値をつけたファーストリティリング(9983)も反発し、午後に自社株買いを発表したラオックス(8202)が急騰しました。

一方、大規模な自社株買いの発表で連騰していたソフトバンクグループ(9984)は値を下げました。16年12月期の減益予想を公表したブリヂストン(5108)も売られています。

本日のポイントと注目テーマと関連銘柄―来週開催のG20まで様子見が強まる可能性。シャープの経営再建問題に焦点か

1月下旬以降、大幅安・大幅高の繰り返しのような相場が続いてきましたが、少しずつ落ち着きを見せ始めたような印象があります。ただ、落ち着きを見せ始めたことと、投資家心理が好転したことは意味が異なります。来週に開催されるG20において、市場沈静化を目論む何らかの協調政策発表を注視していると考えられます。目先は日米の金融政策で目新しいニュースが出そうもないため、来週のG20は最大の注目材料となるでしょう。

そのような訳で、G20開催までの数日間は、引き続き個別テーマに目が向きそうです。しかし、マイナス金利、フィンテック、インバウンド、自社株買い等、主な個別テーマはとりあえず一巡した気がします。これから二巡目に向かうのか、それとも、新たな個別テーマが現れるのか注目したいところです。

1つ気になる話題は、シャープ(6753)の経営再建問題の行方です。シャープの買収に名乗りを上げている台湾の鴻海精密工業の経営トップが来日しており、19日には何らかの動きが出るかもしれません。これを契機に、再編への様々な思惑から、ハイテク銘柄の売買が活発になる可能性はあるでしょう。

【2016年2月19日 投信1編集部】

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LIMO編集部