「日本人はファイナンシャルリテラシーが低い」とささやかれたりしますが、実際のところどうなっているのでしょうか。
Standard & Poor's(S&P)の調査(2014年)を元にした、「国別ファイナンシャルリテラシーへの考察」というワールド・バンク・デベロップメント・リサーチ・グループによる論文に、各国のファイナンシャルリテラシーの度合いが分かりやすく比較されてます。
15万人以上の成人を対象に行われたS&Pのこの大規模調査では、140カ国以上のファイナンシャルリテラシーをランキングしています。
最もファイナンシャルリテラシーが高いのは?日本は?
調査対象となった143カ国の内、最もファイナンシャルリテラシーが高かったのはスウェーデン(71%)とノルウェー(71%)で、日本は38位(43%)につけてます。
なお、パーセンテージは、ファイナンシャルリテラシーが高いと判断された人の割合です。
ところで「ファイナンシャルリテラシー」とは?
S&Pの調査では、「基礎的な算数」、「複利の仕組み」、「インフレーション」、「リスク分散」の4項目から、ファイナンシャルリテラシーを測ろうとしています。
次に各項目の例題をみてみましょう。
基礎的な算数:
あなたが100ドルを借りるとします。105ドルの返済額と、100ドルに3パーセントの利息を付けた返済額では、どちらが安上がりでしょう?
複利の仕組み:
銀行に2年間お金を預けるとします。銀行が毎年15パーセントの利息を付けるとすると、銀行は2年目により多くの利息を付けることになりますか?それとも1年目も2年目も利息額は一定でしょうか?
インフレーション:
この先10年であなたが購入する物品の値段が倍になるとします。あなたの収入も同様に倍になるとしたら、10年後のあなたは今より購買力が劣ることになりますか?それとも今と変わらないでしょうか?または、購買力が増すことになるでしょうか?
リスク分散:
あなたに多少のお金があるとします。このお金をひとつのビジネス/投資先に投じるのと、複数のビジネス/投資先に投じるのとどちらがより安全でしょうか?
S&Pの調査では、4項目中3項目に正解すると「ファイナンシャルリテラシーが高い」と判断しています。