2. 年金の誤解は他にも。現役時代の働き方でモデルケースは変わる
年金額が毎年報告されると、「だいたい年金は月額15万円程度か」と認識される方もいます。
確かに平均額で言うと15万円前後で推移していますが、これは多くの人がその金額を受け取れるというわけではありません。
公的年金は働き方や給与の水準によって大きな個人差があるのです。「年金はいくらくらいなんだろう」と気になったとき、確かに平均額はひとつの参考になるものの、自分にもあてはまるわけではない点に注意が必要です。
例えば、厚生労働省が示す「多様なライフコースに応じた年金額の例」を参考にしてみましょう。
この資料では、年金の加入経歴を5つのパターン(男性2、女性3)に分け、「2026年度に65歳になる人」を想定した年金額の概算が示されています。
2.1 ケース①:男性・厚生年金期間が中心
《年金月額》17万6793円
- 平均厚生年金期間:39.8年
- 平均収入:50万9000円(※賞与を含む月額換算。以下同様)
- 基礎年金:6万9951円
- 厚生年金:10万6842円
2.2 ケース②:男性・国民年金(第1号被保険者)期間が中心
《年金月額》6万3513円
- 平均厚生年金期間:7.6年
- 平均収入:36万4000円
- 基礎年金:4万8896円
- 厚生年金:1万4617円
2.3 ケース③:女性・厚生年金期間が中心
《年金月額》13万4640円
- 平均厚生年金期間:33.4年
- 平均収入:35万6000円
- 基礎年金:7万1881円
- 厚生年金:6万2759円
2.4 ケース④:女性・国民年金(第1号被保険者)期間が中心
《年金月額》6万1771円
- 平均厚生年金期間:6.5年
- 平均収入:25万1000円
- 基礎年金:5万3119円
- 厚生年金:8652円
2.5 ケース⑤:女性・国民年金(第3号被保険者)期間が中心
《年金月額》7万8249円
- 平均厚生年金期間:6.7年
- 平均収入:26万3000円
- 基礎年金:6万9016円
- 厚生年金:9234円
これらのモデルケースからも、厚生年金の加入期間の長さや現役時代の平均収入が、将来の年金月額に大きく影響することがわかります。
