同じ会社員でも、働く業界によって平均年収には大きな差があります。

高水準の業界がある一方で、低い水準にとどまる業界も少なくありません。

こうした差は、個人の努力だけでは説明しきれない部分があります。

この記事では、業界で年収差が生まれる理由と、年収を上げるための現実的な考え方を整理します。

1. 【2026年最新データ】「インフラ832万・金融702万・IT660万」業界別平均年収の実態

国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査ー調査結果報告ー」のデータをもとに、業界別平均年収を見ていきましょう。

日本の平均給与は478万円(男性は587万円、女性は333万円)とされています。

この平均はあくまで全体の水準であり、実際には業界によって大きな差があります。

1.1 平均給与が高い業種「インフラ832万・金融702万・IT660万」

同じ「会社員」でも、業界によって数百万円単位の差が生じています。

業界ごとに、スタートラインが異なります。

【平均給与の高い業種】

  • インフラ(電気・ガス・水道):832万円
  • 金融・保険:702万円
  • IT(情報通信):660万円

いずれも高い水準にあり、安定性や収益性の高さが年収に反映されていると考えられます。

同じ職種であっても、これらの業界に身を置くだけで年収レンジ自体が引き上がる可能性があります。

1.2 平均給与が低い業種

一方で、平均給与が低い業種も存在します。

【平均給与の低い業種】

  • 宿泊業・飲食サービス業:279万円
  • 農林水産・鉱業:348万円
  • サービス業:389万円

これらの業種では、パートやアルバイトなど非正社員の割合が高い傾向があり、それが平均給与を押し下げる要因の一つと考えられます。

2. 【企業規模でここまで違う】従業員数別の年収差

年収格差は、業界と並んで「事業所規模」が重要です。

国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査ー調査結果報告ー」によると、事業所規模別の平均給与は以下のとおりです。

  • 従業員5000人以上:約539万円
  • 500〜999人:約498万円
  • 30〜99人:約437万円
  • 10人未満:約392万円

同じ会社員であっても、大企業と小規模企業では150万円近い差が生じています。

大企業ほど利益規模が大きく、賞与や福利厚生を含めた総報酬が高くなりやすい構造があります。

3. 非正規比率が平均年収に影響する

平均年収の差には、「非正規雇用の割合」も影響しています。

2026年3月31日に公表された総務省の「労働力調査」によると、日本全体の非正規雇用比率は37%です。

非正規雇用は正社員と比べて給与水準が低いため、非正規比率が高い業界ほど平均年収が下がりやすくなります。

4. なぜ業種によって差がつくのか

年収差は、主に業界ごとの構造的な違いによって生まれます。

ITや金融といった分野は利益率が高く、企業が人件費に充てられる余力がある傾向です。

これらの業界には大企業が多く、賃金水準自体が高く設定されている点も特徴です。

専門性の高い知識やスキルが求められるため、人材が限られやすく、その分だけ個々の価値が給与に反映されやすくなります。

複数の要素が重なり、業界ごとに人件費に回せる金額に差が生じ、同じ職種であっても年収に違いが生まれます。

5. 【年収をあげるために】職種はそのまま、業界を変える

こうした現実を踏まえると、年収を上げる方法の一つとして有効なのが「職種はそのまま、業界だけを変える」という考え方です。

年収を引き上げる現実的なアプローチとして、低利益業界から高利益業界へと業界を変える、企業規模を上げるために中小企業から大企業へ移る、専門性を高めて汎用職から専門職にステップアップする戦略があります。

【具体例】

  • 飲食の経理 → IT企業の経理
  • 小売の営業 → IT・金融業界の営業
  • 事務→IT企業の管理部門

このように、仕事内容の軸を変えずに、より収益性の高い業界へ移ることで、年収レンジの引き上げが可能になります。

6. まとめにかえて

年収の差は、努力だけでは埋めにくい「業界構造」によって生まれている側面があります。

収入を上げたい場合は、スキルの向上だけでなく、働く場所そのものを見直す視点も重要です。

「何をするか」だけでなく、「どこでやるか」を考えてみましょう。

その選択が、将来の年収を左右する可能性があります。

参考資料

円城 美由紀