身体の障がいは、見え方や聞こえ方、手足の動き、心臓や腎臓などの内臓の機能まで、人によって状態がさまざまです。日常生活や社会生活のなかで抱える困難も、一人ひとり異なります。身体障害者手帳は、そうした方の生活上の負担を軽減し、自立や社会参加を支える制度のひとつです。
厚生労働省の「令和6年度福祉行政報告例」によると、身体障害者手帳の所持者は2024年度末で467万4999人でした。手帳を持つ方には、障がいの種類や程度に応じて、さまざまな支援が用意されています。
この記事では、身体障害者手帳の所持者数と障がいの種類、等級や申請の流れを確認したうえで、東京都の制度を一例として、手帳を持つ方を対象とした支援を紹介します。記事後半では、ハローワークを通じた身体障がい者の就職状況も見ていきます。
1. 身体障害者手帳の所持者「約467万人」5年間の推移と障がいの種類をみる
障害者手帳には、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種類があります。身体障害者手帳は、身体障害者福祉法に基づいて交付される手帳です。
1.1 2024年度末は467万4999人。前年度から約10万8000人減少
厚生労働省の「令和6年度福祉行政報告例」によると、2024年度末時点の身体障害者手帳の交付台帳登載数は467万4999人でした。前年度より10万8137人、率にして2.3%の減少です。
2020年度末の497万804人から、5年連続で減っています。年齢別では、18歳以上が458万6141人で全体の98%を占め、18歳未満は8万8858人でした。
1.2 障がいの種類で最も多いのは肢体不自由の48.1%
障がいの種類別にみると、最も多いのは肢体不自由の224万7815人で、全体の48.1%を占めます。次いで、心臓や腎臓などの機能の障がいである内部障害が161万8720人(34.6%)でした。
このほか、聴覚・平衡機能障害が43万9036人(9.4%)、視覚障害が31万2992人(6.7%)、音声・言語・そしゃく機能障害が5万6436人(1.2%)となっています。
2. 身体障害者手帳は1級から7級。申請方法と交付までの流れを確認
手帳の等級や申請の流れを、東京都心身障害者福祉センターの案内をもとに確認します。手続きの細かな流れは自治体によって異なる場合があります。
2.1 等級は1級から7級、7級の障がい1つだけでは対象にならない
身体障害者手帳の交付対象となる障がいの範囲は、身体障害者福祉法の別表で定められています。等級は、身体障害者障害程度等級表により1級から7級までに区分されますが、7級の障がいが1つだけの場合は手帳の対象になりません。
対象となる障がいは、視覚障害、聴覚障害、平衡機能障害、音声・言語機能障害、そしゃく機能障害、肢体不自由、心臓機能障害、じん臓機能障害、呼吸器機能障害、ぼうこう又は直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害、肝臓機能障害です。
2.2 指定医の診断書をもとに申請し、通常1か月程度で交付
東京都の場合、申請には、身体障害者福祉法第15条の指定を受けた医師が作成した診断書・意見書(発行から1年以内)、本人の写真、交付申請書が必要です。申請の窓口は、お住まいの区市町村の障害福祉担当窓口です。
申請から交付までは通常1か月程度ですが、診断書の内容によっては指定医への照会が必要になるなど、さらに日数がかかることもあります。
2.3 有効期限はないが、再認定の対象になる場合も
身体障害者手帳には有効期限がありません。ただし東京都では、将来、障がいの程度に変化が予想される場合、手帳の交付から1年以上5年以内の期日を指定して、改めて診査を受ける「再認定」を行っています。障がいの程度が変わったときや、新たな障がいが加わったときは、等級変更などの申請ができます。