公的年金だけで老後の生活を支えるのは簡単なことではありません。
そんな中、所得が一定基準以下の高齢者をサポートするために支給されるのが「老齢年金生活者支援給付金」です。
2026年度の給付基準額は月額5620円ですが、給付額は国民年金保険料の納付状況によって決定します。納付月数や免除月数により受給額がどう変わるのか解説します。
1. 老齢年金生活者支援給付金とは?
老齢年金生活者支援給付金の対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される
この制度は、消費税率の引き上げ分を財源として、年金受給者の生活を支援するために作られたものです。
条件を満たせば一生涯、年金に上乗せして支給されます。
2. 2026年度「老齢年金生活者支援」給付基準額額と年金額
老齢年金生活者支援給付金の給付基準額は、月額5620円となります。
支給要件を満たし、国民年金保険料を40年間(480カ月)未納なく納めた場合は、給付金をひと月あたり5620円受けとれます。
老齢基礎年金の満額(7万608円/昭和31年4月2日以後生まれ)と合わせると、合計で月額7万6228円を受け取れる計算です。
(1956年4月2日以後生まれの方の場合)
- 保険料480月納付×免除なし:給付金額5620円+老齢基礎年金7万608円=合計7万6228円
- 保険料400月納付×免除なし:給付金額4683円+老齢基礎年金5万8840円=合計6万3523円
- 保険料360月納付×120月全額免除:給付金額7157円+老齢基礎年金6万1782円=合計6万8939円
- 保険料300月納付×180月全額免除:給付金額7926円+老齢基礎年金5万7369円=合計6万5295円
- 保険料240月納付×240月全額免除:給付金額8694円+老齢基礎年金5万2956円=合計6万1650円
- 保険料を240月納付×免除なし:給付金額2810円+老齢基礎年金3万5304円=合計3万8114円
- 保険料を120月納付×360月全額免除:給付金額1万231円+老齢基礎年金4万4130円=合計5万4361円
- 保険料を120月納付×免除なし:給付金額1405円+老齢基礎年金1万7652円=合計1万9057円
- 保険料の納付なし×480月全額免除:給付金額1万1768円+老齢基礎年金3万5304円=合計4万7072円
※1956(昭和31)年4月2日以後生まれの方の数値です。
※老齢基礎年金額は、免除期間を2分の1(国庫負担分)として評価した概算です。
3. 老齢年金生活者支援給付金を受けとるには申請が必須です!
年金生活者支援給付金の支給対象となった人には、日本年金機構からお知らせを兼ねた請求書が郵送されます。
請求書の送付時期や書類形式は、年金の受給状況により異なります。
3.1 【パターン1】65歳の誕生日を迎え、老齢基礎年金を新規に請求する人
- 65歳になる3か月前に、年金受給に必要な「年金請求書(事前送付用)」に同封して送付
- 必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、年金の請求書と併せて年金事務所に提出
3.2 【パターン2】基礎年金を受給中で、新たに年金生活者支援給付金を受け取ることができる人
- 毎年9月の第1営業日から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が順次郵送される
- 2025年1月以降に65歳に到達し、日本年金機構から「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届いた方は電子申請を利用できます
- 電子申請を利用しない場合は、必要事項を記載し、切手を貼ってポストに投函
なお、支給要件に当てはまるかどうかが確認できない人には「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」および「所得情報等を確認するための所得状況届」が届きます。
4. 老齢年金生活者支援給付金の支給日はいつ?
年金生活者支援給付金は、公的年金と同様、年6回に分けて、偶数月の15日に支払われます。なお、15日が土日または祝日のときは、その直前の金融機関の営業日に前倒しとなります。
年金の受取口座と同じ口座に、同日、年金とは別に振り込まれます。(通帳にはそれぞれ別の振込として記載されます)
各支払月には、原則、その前月までの2カ月分の年金生活者支援給付金が支払われます。例えば、6月に給付されるのは、4月分・5月分の給付金です。
5. まとめ
この記事では、老後の暮らしをサポートする「老齢年金生活者支援給付金」について解説しました。
基準額は、物価の変動をもとに毎年度見直しが行われており、2026年度は前年度から3.2%(140円)の増額となっています。
支給要件を満たす人には日本年金機構より請求書が送付されます。請求手続きをしなければ受け取れないため留意しましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」
- 厚生労働省「年金生活者支援給付金制度」
- 日本年金機構「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)が届いた方へ」
和田 直子