仮にまだ一人目の子どもができず「早く妊娠したい」と考えている人にも離婚相談の連絡をしていたり、旦那さんの愚痴を聞かせたりした直後に妊娠報告をしたら…。きっと多くの人を振り回すだけでなく、傷つけてもしまうはず。

そして素直に「いろいろあったけど家庭がうまくいってるんだ。良かった」と思えない自分自身にも自己嫌悪でした。筆者も「そろそろ二人目が欲しいな」と考え始めていたタイミングで第二子妊娠を報告されたため、余計にネガティブな感情を持ってしまったのだと思います。

「私のように、離婚の相談をしていた人には妊娠報告しない方がいいよ」となんとなく水を差すべきかと思いましたが、そんなことをすればただのやっかみです。できるはずもありませんでした。これが諸々の経緯なく、妊娠報告だけであれば素直に喜べたでしょう。筆者は「友人や知人には夫の愚痴や離婚相談はしてはいけないことをAが教えてくれたんだ」と思うことにし、そのモヤモヤを自分の心の中で打ち消しました。

子どもを産んで気付く「隣の芝の青さ」

最近は「二人目不妊」という言葉も耳にするようになりました。一人目を経て父母ともに高齢化することや、育児や仕事のストレスなど様々な要因から「二人目が欲しいけどできない」と、不妊治療に挑む夫婦も少なくありません。一方で産後のセックスレスに悩んでいる夫婦もいるでしょう。

一人目を産んでわかったのが、ママ友や保育園などのコミュニティにいると、とにかく「隣の芝は青く見える」こと。これは、結婚して夫婦だけだった頃とは比べ物にならないくらいでした。各家庭それぞれに事情はあるのに、「あの夫婦はこうやっているらしいよ」「あそこの子どもはこんな習い事をさせているんだって」と、自分の家庭と比較するのが日常茶飯事な状況になってしまいます。

その後、筆者は夫に「A、離婚を考えていたほどだったのに第二子授かって羨ましい」と素直に打ち明けてみたところ、「よそはよそ、うちはうちっていうフラットな気持ちが必要だよね」と軽くいなされ、妙に納得。自分自身が、離婚の相談を受けている時も、どこかでずっとAの家庭と自分の家庭を比較していたんだということに気付いたからです。

この立ちはだかる「隣の芝の青さ」に、いかにフラットな気持ちで向き合うか。子育て夫婦にはこうしたスキルが必要なのかもしれません。

富士 みやこ