3. 個人向け国債「変動10年」を「買ってはいけない人」は?
金利の上昇に伴い、注目が集まっている個人向け国債。低リスクで購入しやすいため、定期預金のような気軽さで投資できるのがメリットです。
反面、変動10年は期間が長い商品です。中途換金が可能とはいえ、1年間は換金不可で、受け取った利子は直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれます。
そのため、下記に当てはまる方は、購入について慎重に検討することをおすすめします。
3.1 近い将来に使う予定のお金がある人
言うまでもなく、変動10年は満期が10年後に到来する債券です。保有期間中に元本割れなしで換金できるのはメリットですが、換金時には直近2回分の利子が差し引かれます(※)。実質の利回りが低下するのはデメリットです。
※直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685が差し引かれる。(直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を乗じているのは、利子の受取時に20.315%分の税金が差し引かれているため)
もし変動10年に投資をするなら、10年間は使途予定のない余裕資金で行うのが適切です。
また、個人が購入できる国債には、他に新窓販国債(※)があります。新窓販国債には満期タイプが2年の債券があるので、固定3年や国債2年(新窓販国債2年)など、使途予定に応じて、さまざまな期間や種類の債券を組み合わせて保有することも検討してみましょう。
※新窓販国債は市場でいつでも売却が可能ですが、個人向け国債のような「国の買い取りによる中途換金制度」はありません。時価での売却となるため、元本割れの可能性があります。
3.2 大きなリターンを期待する人
個人向け国債は信用リスクが低く、安全性の高い金融商品です。ローリスク・ローリターンなので、相対的に高い利回りを求める方には、やや不向きです。
債券投資に興味があり、個人向け国債よりも高いリターンを求める場合は、社債や外国債券を検討してみるのもひとつの方法です。ただし、リターンを追求すると、リスクも相応に高くなる点は注意が必要です。
3.3 効果的なインフレ対策を検討している人
変動10年の利率の計算方法は基準金利に0.66を掛けて算出されます。そのため、実勢金利に応じて利率が上昇しても低く抑えられることになり、リターンがそれを上回る仕組みにはなっていません。
この計算方法により、個人向け国債の保有だけでは、十分なインフレ対策になっているとは言い難く、その他の金融商品の方が適している場合もあります。
ただし、資産運用は分散投資が基本です。ポートフォリオの一部として組み入れるのであれば、個人向け国債は適切な選択肢のひとつになるでしょう。