とある証券会社で働くCさんは、毎日3~4時間程度残業をして帰るのが当たり前になっていました。朝8時前には出社し、そこから20時過ぎまで、さらに遅いときには22時という日もあったと言います。しかし、そういう生活をしていると自分のやりたいこともできず、毎日の生活に楽しみがなくなってしまうことに、あるとき気付いたそう。

確かに、残業代は多くもらっていて、そのおかげで生活がしやすかったというのもありました。入社して3年ほどはお給料も高くないため、お金のためにも残業は進んでやっていたというCさん。しかし、30代を間近に控え、そんなお金のことよりも今を楽しんで生きるほうが大事だと思うようになったと言います。

というのも、音楽活動をしている学生時代の友人の様子をSNSでよく目にしていて「お金がないと言っていても、毎日楽しそうにして、いろんな人に囲まれて幸せそうに生きているな」とぼんやり思ったことがきっかけでした。Cさんにとってその気付きは非常に衝撃的なもので、自分はSNSにアップしたいと思うような写真が取れる瞬間もないし、SNSで親しげに連絡をくれるような人もいないと絶望的な気分になったのだそう。

お金のために残業をして、特に何に使うでもなくお金を貯め込むことの何が幸せなのかと考えたCさん。20代のうちの1万円と30代になってからの1万円では、自分の収入や稼げる金額も違うので、相対的には20代にとっての1万円のほうが価値が大きいですよね。そうであれば、貯金は自分にとって比較的価値が小さくなってからのほうが心理的な負担も少なく、貯めやすいと思ったのだそう。

20代のうちはお金を使って、楽しく明るく生きていこうと決めたCさん。今では社会人サークルに入ったり、キャンプや登山に行ったりと色々なアクティビティを楽しんでいます。

まとめ

いかがでしたか。彼女たちの選択がすべて正しいということではありませんが、自分の中にあった無意識の感覚や何かをうらやんだりする気持ちに気付き、うらやましいならなぜそうしないのかと自分に問いかけて解決策を見つけるということは意義のあることだと思います。あなたの中にも、様々な無意識の感覚があるはず。一度じっくり自分の今後について考えてみてはいかがでしょうか。

大塚 ちえ