2. 銀行預金vs個人向け国債
ここからは、銀行預金に預けた場合と個人向け国債を購入した場合とで、受取利息(利益)の比較を行います。今回は、4月募集の個人向け国債の中で最も金利の高い「固定5年」の商品を例に挙げて銀行預金と比較をしていきます。
2.1 銀行預金
銀行預金の金利は、数年前には「ゼロ金利」と言われるほど低く、銀行に預けても増える実感は全くありませんでした。近年ではやや回復傾向にはあるものの、大手銀行の普通預金で0.3%程度の水準です。仮に0.3%とした場合、100万円を5年間預けると金利としては以下のようになります。
【実質的な適用金利】半年ごとに金利が計算され、約20%(※正確には20.315%ですが、本シミュレーションでは分かりやすく20%として概算します)の税金が源泉徴収されるため、以下のようになります。
- 税引後の半年利率: 0.3% ×(1/2)×(1−0.20)=0.12%
【半年ごとの資産推移】
- 第1期(0.5年後): 利息1200円(100万円×0.12%)→利息受取後の資産額100万1200円
- 第2期(1.0年後): 利息1201円(100万1200円×0.12%)→利息受取後の資産額100万2401円
- 第3期〜第9期:上記と同様に計算
- 第10期(5.0年後): 利息1213円(101万848円×0.12%)→最終資産:101万2061円
【5年間の累計利益】
101万2061円−100万円=1万2061円
複利効果により徐々に受け取れる利息は増えていくものの、5年間で得られる利益は約1万2000円にとどまる結果となります。
2.2 個人向け国債
一方で、利率1.79%の個人向け国債を購入した場合の5年後の利益は、以下のようになります。
【実質的な適用金利】
個人向け国債の利息は「単利計算」で、半年ごとに税金が差し引かれた利息が支払われます。
- 税引後の半年利率:1.79%×(1/2)×(1−0.20)=0.716%
【半年ごとの税引後受取利息】
7160円(100万円×0.716%)
【5年間の累計利益】
10回分(5年間)合計:7160円×10=7万1600円
満期である5年間保有していれば、投資した元本100万円がそのまま償還できるため、得られる純粋な利益は7万1600円となります。
2.3 シミュレーション結果
結果として、5年間で受け取れる利息は、銀行普通預金の約1万2061円に対し、個人向け国債は約7万1600円と、約6万円もの差が生じました。6万円を大きいと捉えるかどうかは人の感じ方にもよりますが、これが「特段の労力を要せずに、ただお金の置き場所を変えただけ」で得られる差であるということは重要なポイントです。
株式や投資信託のように日々の値動きを追う手間や価格変動のリスクを負わずに効率的に資金を増やせるという点は、堅実な資産形成において大切な視点と言えるでしょう。