あくまでも、これらは一部の事例です。ほとんどの保育園で保育士さんは子ども達のため、働いている親のために尽力してくれています。次は、子供を見守りママを支えてくれている心強い保育士さん達の様子を見てみましょう。

感謝の事例[1]育児のプロに相談できる

保育園に子どもを通わせ、日々、仕事に家事に追われている親にとって、保育士さんは気軽に相談できる貴重な存在です。子どもの様子は親だとかえって分かりにくい面もありますが、プロの目で子どもを客観的に見てくれますし、発達の面などのアドバイスもありがたいものです。日中、子どもが園で頑張っている様子を聞くと、成長を感じられて嬉しいものですよね。

感謝の事例[2]子どもの力を信じてくれる

また、子どものできる力を信じて見守りましょうという姿勢も保育士さんならでは。子どもが思い切ったことをしようとすると、見ている親は心配して先回りをしたり、周囲への迷惑を考えて行動を控えるように言い聞かせがちです。しかし保育士さんは経験から、大丈夫ですという確信があります。これが子どもの重要な成長の機会となるのです。親一人では判断が難しい場面でも、子どもの成長を知っているプロならではの対応が可能となるのです。

感謝の事例[3]優しい配慮

幼稚園とは異なり、乳児の頃から入園する家庭も多い保育園。なかなか園に慣れない小さなお子さんもいます。慣れないからといっても、共働きの家庭で休ませたりするのは難しいものです。あるママのケースでは、園で保育士さんがずーっと抱っこをしていることもあるようですが、そのような困った点にはまったく触れず、ママには子どもの良い点をたくさん報告してくれるそうです。優しい配慮に感謝しかありませんね。

保育園はすべての子どもの大切な場所

2019年10月から、3~5歳までの幼稚園・保育所・認定こども園などの利用料が無償化されます。しかし無償化の前に、「保育園・保育士不足をどう解消するのか」「待機児童をどう減らしていくのか」という問題が取り残されているように思います。

また19年3月に発表された北里大学の調査『社会的不利や健康・発達の問題が3、4歳で保育園・幼稚園等に通っていないことと関連』によると、3、4歳児の未就園児は低所得や多子、多国籍などの社会経済的に不利な家庭や、発達・健康の問題を抱えた子どもが多いことが分かりました。

このような子どもたちが保育園に通えていれば、まず虐待などの家庭情況をすぐに察知することができます。また、給食などで栄養面のサポートが可能になりますし、健康に問題のある子どもの育児のサポート体制もできるのです。

このような点から「保育園義務化」の声もありますが、その実現には「保育園・保育士不足」の解消が必須になります。保育士は「低賃金・長時間労働」というイメージがあり、なり手が少ない・働き続けられないのが現状です。

共働き世帯の増加は今後も続くでしょう。現代社会での保育園の役割は、非常に大きいです。保育士さんへ感謝することも重要ですが、まずは賃金面の向上を訴えていかなければならないでしょう。

さいごに

共働き世帯にとって、保育園は重要な預け先です。労働政策研究・研修機構の「専業主婦世帯と共働き世帯1980年~2018年」によると、専業主婦世帯が主流だった1989年に比べ、2018年では共働き世帯が専業主婦世帯の2倍という状況になっています。今後もこの増加傾向が続くとすると、保育園に頼らなくては共働きが成り立たない状況は変わりそうもありません。

もし、子どもの様子がおかしい、保育士さんの言動に違和感があるという場合は、保育園で何か問題がある可能性も想定しましょう。子どもが長い時間を過ごす保育園だからこそ、入園前には徹底的に足を運んで下見をしたり、ママ友のネットワークで情報を集めておくなど、保育園の実態をしっかりチェックして備えておくことが重要ですね。

そして子どもたちの幸福のためには、保育士さんの労働環境が少しでも良くなるように、訴え続けていかなければなりません。

【参考】

『早わかり グラフでみる長期労働統計』独立行政法人 労働政策研究・研修機構

『幼児教育・保育の無償化について』厚生労働省

LIMO編集部