新年度が始まり、新たな気持ちで仕事に取り組む方も多い4月。就職、転職、転勤、異動などで働く環境が変わった方もいるでしょう。
仕事環境が変わるとキャリアを考える機会も増えがちに。帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年4月」によれば4月は今年初の値上げラッシュとなり、家計を考えてキャリアについて改めて考える方もいるかもしれません。
国税庁が公表した「令和6年分 民間給与実態統計調査」によれば、日本の平均給与は478万円です。しかし、これはあくまで全体の平均値であり、実際には性別や年齢、働く業界などによって大きく異なります。
この記事では日本の平均である年収400万円以上の人の割合を見た後、業種別の平均年収を詳しく見ていきましょう。
1. 日本の平均年収は478万円!過去30年間平均年収は「400万円台」
まずは最新の日本の平均年収を国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」より確認しましょう。
1.1 日本の平均年収
- 全体:478万円
- 男性:587万円
- 女性:333万円
日本の1年を通じて勤務した給与所得者全体の平均年収は478万円です。
前年に比べれば平均年収は増えていますが、国税庁「民間給与実態統計調査」をみると日本は30年間、平均年収が400万円台となっています。
30年前の平均年収2/3
出所:国税庁「平成13年分 民間給与実態統計調査」
同資料より過去を振り返ると、過去30年間の中では1997年の467万円が高い水準でしたが、いずれもにしても400万円台で推移しています。
2. 「平均年収400万円以上」の人は何パーセント?
では、日本の平均年収400万円以上の人はどれくらいいるのでしょうか。
年収一覧表

2.1 「年収400万円以上」の割合の5年間の推移
- 令和2年分:45.3%
- 令和3年分:46.9%
- 令和4年分:48.8%
- 令和5年分:49.2%
- 令和6年分:52.0%
令和6年分は52.0%が年収400万円以上となっており、半数以上であるとわかります。過去5年間で見ると、年収400万円以上の人は増加しています。
一方で男女別でみると以下の通り。
- 男性:約67.8%
- 女性:約31.0%
男性はおよそ3分の2が年収400万円以上ですが、女性は3分の1にとどまります。
男女別で最も人数の多いボリュームゾーンをみると、男性は「400万円超〜500万円以下(16.9%)」、女性は「200万円超〜300万円以下(19.0%)」であり、男女の賃金差やライフイベントによる働き方の差などが要因と考えられます。
3. 【業種別の平均年収一覧表】をみる
次にdodaが公表している「平均年収ランキング(職種・職業別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」を基に、業種別の平均年収を見ていきます。
平均年収が高い業種から順に並べたランキングは以下の通りです。
3.1 業種別の平均年収ランキング
- 1位 金融:全体 500万円 / 男性 615万円 / 女性 419万円
- 2位 メーカー:全体 492万円 / 男性 540万円 / 女性 399万円
- 3位 総合商社:全体 479万円 / 男性 555万円 / 女性 388万円
- 4位 IT/通信:全体 466万円 / 男性 498万円 / 女性 416万円
- 5位 建設/プラント/不動産:全体 447万円 / 男性 490万円 / 女性 379万円
- 6位 専門商社:全体 444万円 / 男性 493万円 / 女性 382万円
- 7位 インターネット/広告/メディア:全体 440万円 / 男性 493万円 / 女性 396万円
- 8位 メディカル:全体 416万円 / 男性 514万円 / 女性 367万円
- 9位 サービス:全体 390万円 / 男性 439万円 / 女性 349万円
- 10位 小売/外食:全体 368万円 / 男性 413万円 / 女性 331万円
ランキングをみると業種だけでも平均年収に大きな差が見られることがわかります。
dodaによれば、全10の業種分類のうち、金融やメーカー、総合商社を含む8つの業種で平均年収が過去9年間で最も高くなっています。特に「メーカー」は前年から11万円アップ、「金融」は9万円アップと上昇幅が大きくなりました。
今後どの業種が伸びるかは現代において不透明な部分も多いですが参考にするといいでしょう。
4. 平均年収「金融」と「メーカー」を深掘り
次に前年より平均年収が増えた「金融」と「メーカー」について、小分類での平均年収もみていきます。
4.1 【金融(小分類)】
- 投信/投資顧問:全体 814万円 / 男性 932万円 / 女性 667万円
- ベンチャーキャピタル/プライベートエクイティ:全体 724万円 / 男性 805万円 / 女性 600万円
- 証券会社:全体 609万円 / 男性 680万円 / 女性 532万円
- 信託銀行:全体 607万円 / 男性 818万円 / 女性 486万円
- 都市銀行:全体 567万円 / 男性 712万円 / 女性 471万円
- リース:全体 546万円 / 男性 641万円 / 女性 439万円
- 損害保険:全体 524万円 / 男性 673万円 / 女性 446万円
- クレジット/信販:全体 506万円 / 男性 613万円 / 女性 424万円
- 消費者金融:全体 504万円 / 男性 565万円 / 女性 446万円
- 住宅ローン:全体 503万円 / 男性 570万円 / 女性 453万円
- 地方銀行:全体 473万円 / 男性 553万円 / 女性 395万円
- 生命保険:全体 461万円 / 男性 665万円 / 女性 379万円
- 保険代理店:全体 425万円 / 男性 496万円 / 女性 378万円
- 信用金庫/組合:全体 412万円 / 男性 465万円 / 女性 363万円
4.2 【メーカー(小分類)】
- たばこ:全体 759万円 / 男性 802万円 / 女性 576万円
- トイレタリー:全体 608万円 / 男性 685万円 / 女性 521万円
- 総合電機メーカー:全体 593万円 / 男性 642万円 / 女性 455万円
- 自動車/輸送機器メーカー:全体 523万円 / 男性 554万円 / 女性 417万円
- 電子/電気部品メーカー:全体 517万円 / 男性 561万円 / 女性 411万円
- 化学メーカー:全体 509万円 / 男性 557万円 / 女性 416万円
- 機械/電気機器メーカー:全体 507万円 / 男性 540万円 / 女性 414万円
- 鉄鋼/金属メーカー:全体 489万円 / 男性 531万円 / 女性 382万円
- ゲーム/アミューズメント機器メーカー:全体 481万円 / 男性 515万円 / 女性 420万円
- スポーツ/アウトドア用品:全体 475万円 / 男性 503万円 / 女性 425万円
- 香料:全体 458万円 / 男性 537万円 / 女性 397万円
- 住宅設備/建材メーカー:全体 456万円 / 男性 505万円 / 女性 381万円
- 食品/飲料/化粧品メーカー:全体 449万円 / 男性 510万円 / 女性 389万円
- 紙/パルプメーカー:全体 447万円 / 男性 485万円 / 女性 368万円
- 玩具:全体 440万円 / 男性 471万円 / 女性 417万円
- 試薬メーカー/受託合成/受託分析:全体 435万円 / 男性 484万円 / 女性 386万円
- 日用品/文具/オフィス用品メーカー:全体 423万円 / 男性 497万円 / 女性 369万円
- 繊維メーカー:全体 407万円 / 男性 485万円 / 女性 357万円
- 受託加工業(各種加工/表面処理):全体 406万円 / 男性 423万円 / 女性 335万円
- 家具/インテリア/生活雑貨:全体 406万円 / 男性 460万円 / 女性 363万円
- ペット関連:全体 398万円 / 男性 472万円 / 女性 344万円
小分類で見ても業種による平均年収の違いが大きく見られます。
金融業界では「投信/投資顧問」や「ベンチャーキャピタル/プライベートエクイティ」などの投資関連がトップを占めており、専門性が高いほど平均年収も高くなると考えられます。
メーカーでは「たばこ」や「トイレタリー」「総合電機メーカー」などが上位に入りました。
5. 経験できる業種は多くない。職業研究をしてキャリアの検討を
業種は多様にある一方で、人生で経験できる業種はそこまで多くありません。
また、業種以外にも職種や会社の規模など、職業選択をする際にはさまざまな視点で調べることが大切となるでしょう。
現代では60歳代で働く方も多く、長く働き続ける人も増えています。しっかりと職業研究を行い、自分の希望や適性もあわせ、キャリアを考えていきましょう。
参考資料
- 国税庁「令和6年分 民間給与実態統計調査」
- doda「平均年収ランキング(業種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」
- 帝国データバンク「「食品主要195社」価格改定動向調査 ― 2026年4月」
- 厚生労働省「図表1-8-2 平均給与(実質)の推移(1年を通じて勤務した給与所得者)」
宮野 茉莉子